10min+

このコンテンツでは、柏レイソルを中心に国内・海外サッカーの話題や、千葉県柏市の話題を取り上げる。

MENU

なでしこジャパンはワールドカップで結果を残せるのか

サッカー女子日本代表(通称:なでしこジャパン)は、2/16~22に行われたシービリーブス杯に参加した。強豪国のブラジル、アメリカ、カナダと3試合を行い、それぞれ0-1、0-1、3-0の2位で大会を終えた。今夏の女子ワールドカップに向けての、実戦大会で良い収穫があったと思う。ここでは大会を振り返っていくことにする。

 

メンバー

今回招集された23名は以下の通り。

GK
 1  山下 杏也加 ヤマシタ アヤカ(INAC神戸レオネッサ
21 平尾 知佳 ヒラオ チカ(アルビレックス新潟レディース
18 田中 桃子 タナカ モモコ(日テレ・東京ヴェルディベレーザ

DF
 4  熊谷 紗希 クマガイ サキ(FCバイエルン・ミュンヘン/ドイツ)
 5  三宅 史織 ミヤケ シオリ(INAC神戸レオネッサ
12 乗松 瑠華 ノリマツ ルカ(大宮アルディージャVENTUS)
 2  清水 梨紗 シミズ リサ(ウェストハム・ユナイテッドイングランド
22 清家 貴子 セイケ キコ(三菱重工浦和レッズレディース
17 守屋 都弥 モリヤ ミヤビ(INAC神戸レオネッサ)*→大場朱羽(OHBA Shu/オオバ シュウ)
GK  所属:イーステネシー州立大 けがのため変更

 3  南 萌華 ミナミ モエカ(ASローマ/イタリア)
19 宝田 沙織 タカラダ サオリ(リンシェーピングFC/スウェーデン
 6  石川 璃音 イシカワ リオン(三菱重工浦和レッズレディース)*

MF
14 長谷川 唯 ハセガワ ユイ(マンチェスター・シティイングランド
15 杉田 妃和 スギタ ヒナ(ポートランド・ソーンズFCアメリカ)
16 林 穂之香 ハヤシ ホノカ(ウェストハム・ユナイテッドイングランド
 8  長野 風花 ナガノ フウカ(リバプールFCイングランド
 7  宮澤 ひなた ミヤザワ ヒナタ(マイナビ仙台レディース)
13 遠藤 純 エンドウ ジュン(エンジェル・シティFC/アメリカ)
20 藤野 あおば フジノ アオバ(日テレ・東京ヴェルディベレーザ

FW
10 岩渕 真奈 イワブチ マナ(トッテナム・ホットスパーFCイングランド
11 小林 里歌子 コバヤシ リカコ(日テレ・東京ヴェルディベレーザ
 9  植木 理子 ウエキ リコ(日テレ・東京ヴェルディベレーザ
23 浜野 まいか ハマノ マイカ(ハンマルビーIF/スウェーデン

なでしこジャパン初選出

JFAホームページより引用

https://www.jfa.jp/nadeshikojapan/news/00031532/

中心選手である熊谷、長谷川、岩渕らは順当に選出された。メンバーのうち半分ほどがヨーロッパやアメリカでプレーする海外組になった。初選出はDF石川のみであった。

 

大会総括

1勝2敗と結果だけ見れば負け越しているが、決して悲観する必要はないと感じた。どの相手にも決定機は幾度も演出しており、ブラジルやアメリカにも勝っていてもおかしくはない内容であった。

 

システム

この大会での基本の布陣は、3-4-2-1(守備時は5-4-1)を採用した。キャプテン熊谷紗希は3バックの中央。中盤の底には長谷川唯と長野風花というイングランドスーパーリーグで活躍する2人。最前線は植木理子が務めていた。

ブラジル戦スタメン

このシステムを採用している狙いは、幅広い攻撃で相手の陣形を広げ、サイドから崩していくことにある。3試合を通じて、WBと前線が絡み2vs1や2vs2で崩してから、グラウンダーのクロスで決定機を幾度も作り出していた。ボランチ2枚の展開力は抜群で、シンプルかつ正確にサイドへボールを届けられるのも、このシステムの強みだ。また守備時は5バックを形成することで、相手のクロスをボックス内4枚で対応することができる。

 

良かった点

攻撃に関しては、ゴールまでの道筋が明確であった。サイドを中心に攻め、WBに入ったらシャドーが裏抜けし、ハーフスペースを攻略する。高い位置であればコンビネーションを上手く使い、相手のボックス付近からクロスを上げていた。

 

また遠藤や藤野といったドリブラーも存在感を発揮していた。幾度となく相手DFをかわしていたし、攻撃の起点となっていた。カナダ戦では遠藤が3点目を決め、スタメン候補に躍り出たと言えるだろう。

 

課題

まず攻撃面では、決定力が不足していた。ゴール手前までは何度もボールを運んでいたが、チャンスを決めきれずブラジルやアメリカに敗れてしまった。ストライカーの植木は、より結果に拘ってほしいところだ。

守備面では相手のロングボールに対する処理や、セカンドボール回収でやや不安が残った。アメリカ戦ではそれらが顕著に露わになり、自陣に閉じ込められる時間帯もあった。DFとボランチで対応策についてより明確にし、繋ぐところとクリアするところを的確に判断していくべきだろう。

 

W杯で結果を残すスカッドが揃った

この大会で結果は出なかったものの、手ごたえとしては十分に戦えるし、自信にもなったはずだ。培っている力は間違いなく本物である。その証拠に、近年はヨーロッパのビッグクラブでプレーする選手が増えた。世界レベルを日常で感じている選手たちは、王者奪還へ燃えているはずである。2011年のワールドカップ優勝を知るのは、熊谷と岩渕だけとなった。新たな選手たちが世界の舞台で結果を残す日が、いよいよ迫ってきている。