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柏市出身の山岸祐也がアビスパ福岡のエースになるまで

3/19(日)にJ1アビスパ福岡vs湘南ベルマーレが行われ、2-1でアビスパが勝利した。この試合は先制されながらも、後半アディショナルタイムに山岸祐也が2ゴールを決め、劇的な逆転勝利を収めた一戦だった。そんな山岸の今までを、振り返ることにする。

 

中学まで

1993年に千葉県柏市で生まれた。叔父が元Jリーガーであったこともあり、幼いころからサッカーを始めた。小学生と中学生は、柏ラッセルに所属し成長した。当時は主にボランチを務めており、展開力と攻撃センスが持ち味であった。筆者も彼と対戦経験がある。ラッセルに所属していた友人曰く、当時は王様気質だったとのこと。しかしラッセルで培った豊富な運動量をベースに、高校で注目のプレイヤーへと飛躍する。

 

尚志高校での活躍

高校は柏ラッセルと繋がりがあった、福島県の尚志高校へ進学した。そこでポジションをより攻撃的な位置でプレーしたことにより、才能が開花した。2011年は夏の全国高校総体と冬の全国高校サッカー選手権に出場。選手権では5得点を挙げて、チームをベスト4に進出させる活躍を見せた。当時地元ではその話題で持ちきりであった。その活躍は全国屈指の強豪、流経大への進学に繋がった。

 

流経大で黄金時代を築く

大学は流通経済大学に進学した。2014年と2015年に総理大臣杯二連覇や流経大初のインカレ優勝という結果で、一時代を築き上げた。よりフィジカルを鍛え、体重は10kgも増量した。部員230名もいる熾烈な競争を勝ち抜き、元柏レイソルの江坂と2トップを組んでいた。そのほか現在チームメイトの湯澤聖人、柏レイソルの中村慶太。また田上大地、古波津辰希、西谷和希と山岸を含め6名がJクラブへと進むこととなった。

 

J2で鍛錬を磨く

2016シーズンにザスパクサツ群馬で念願のプロ入りを果たした。早速出場機会を得て、初年度ながら34試合に出場し、5得点を記録した。2年目にはエースナンバーの9に変更し、38試合4得点と活躍した。当時は元柏レイソルの瀬川と2トップを組むことがあった。

 

自信を手にした山岸は、2018シーズンにFC岐阜へ移籍した。そこでも9番を背負い54試合9得点。2019シーズンの夏にはモンテディオ山形へステップアップ。柏レイソル相手に移籍後初ゴールを決めると、後半戦の中心プレイヤーとして定着。2020シーズンはチームトップの6得点を記録した。

 

2020シーズンの10月に、アビスパ福岡へ完全移籍を果たすとJ1昇格に貢献。2021シーズンからは自身初のJ1を戦うことになった。

 

アビスパで手にしたエースの座

迎えた2021シーズン、山岸はJ1の舞台でも結果を出せることを証明した。レギュラーとして8得点を記録し、チームの残留に貢献。2022シーズンにも残留争いに巻き込まれたチームを救う決定力の高さを見せ、10得点をマーク。クラブとして1996年のトログリオ以来の2桁得点の快挙を達成し、福岡のエースとしての地位を不動のものにした。

 

オフにはガンバ大阪など様々クラブによる争奪戦が勃発したが、ふたを開けてみれば残留という結果に落ち着いた。2023シーズン立ち上がりはゴールがなかったものの、直近の湘南ベルマーレ戦で同点となる初ゴール。そして試合終了間際にもゴール正面から冷静なコントロールショットで、2得点目を決め劇的な勝利の立役者となった。

 

万能型FWとして上位進出を目指す

山岸のプレーの特徴は、豊富な運動量を活かした守備と、冷静な判断を伴う決定力の高さである。

 

どのカテゴリーでも、走力を武器としたチームに所属したことから、運動量は群を抜いていた。守備時は左サイドに落ちて、相手のパスの出所にプレッシャーをかけ続ける。

 

また攻撃面では正確なテクニックを活かし、冷静な判断でゴールを決める。特にペナルティーエリア内では、かなり高い確率でチャンスをものにしている。ベルマーレ戦でもエリア内から2得点を決めているが、1タッチシュートまでのポジショニングとキックの質は見事である。

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アビスパ福岡は開幕から好調で、現在4位に位置している。山岸はそんなチームのエースとして、守備も攻撃もけん引する。自身のゴールが生まれたことで、ここから一層チームが活気づくはずだ。2023シーズンのJ1ダークホースは、この山岸祐也なしには語れない。

 

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