
11/1(土)に、ルヴァンカップ決勝の柏レイソルvsサンフレッチェ広島が、国立競技場で開催された。試合は前半に3ゴールを奪ったサンフレッチェ広島が3−1で勝利し、レイソルは準優勝でこの大会の幕を閉じた。この試合を振り返る。
瀬川と山之内がスタメン
2020シーズン以来の決勝進出を果たしたレイソルは、3−4−2−1のフォーメーション。GKは小島。3CBは三丸、古賀、原田。ダブルボランチには戸嶋と中川を起用。右WBには東洋大学に在学中の山之内を抜擢。左には小屋松が入る。最前線に垣田、シャドーには小泉と、戦線離脱していた瀬川が抜擢された。
ベンチには負傷から復帰の小西、準決勝で活躍した細谷、仲間らが控える。

3シーズンぶりの決勝進出のサンフレッチェ広島も、3−4−2−1のフォーメーション。日本代表でのGK大迫、荒木がスタメン。最前線には古巣対決となる木下、シャドーにジャーメイン良と中村が入った。ベンチにはジェルマン、前田、加藤らが控える。

試合内容
セットプレーでまさかの3失点
試合は序盤から両チームがそれぞれの持ち味を発揮する展開となった。サンフレッチェはボールを奪いに高い位置からのプレスで圧力をかけ、一方のレイソルは2分に瀬川 祐輔がディフェンスラインの背後を突きシュートを放つなど、鋭い攻撃を見せた。4分には広島の塩谷 司が敵陣でボールを奪取し、ジャーメイン 良がシュートを放つなど、一進一退の攻防が繰り広げられた。柏は広島のプレッシャーに苦しみ、思い通りにボールを動かせない時間が続いた。拮抗した状況を破ったのは広島のロングスローであった。25分、中野 就斗のロングスローに荒木 隼人が競り勝ち、頭でネットを揺らして先制点を奪った。スコアが動いたことで試合の様相が変化し、柏がボールを保持する時間を増やし反撃を試みた。しかし、広島は冷静に試合を進め、さらにリードを広げた。38分、中村 草太が獲得したフリーキックを東 俊希が直接決め、リードを2点とした。畳みかける広島は、前半アディショナルタイムにも中野 就斗のロングスローから、最後はジャーメイン 良が押し込んだ。広島は前半だけでセットプレーから3得点を奪い、大きくリードしてハーフタイムを迎えた。

細谷がゴールも届かず
後半の立ち上がりに柏は、小西 雄大、仲間 隼斗、細谷 真大の3選手を投入し、よりボールを保持してゴールへ迫る姿勢を強めた。50分には小屋松 知哉が左サイドからカットインしてシュートを放ち、54分には山之内 佑成が右サイドを縦に突破してクロスを供給するなど、柏の攻撃は脅威を増していった。しかし、広島は経験豊富なディフェンスラインを中心に冷静に対応した。相手の攻撃をスピードアップさせずにうまく守り、時間を進めたのである。リカルド・ロドリゲス監督は66分にジエゴを投入し、攻撃のテンポを上げようと試みたが、なかなか流れを引き寄せられなかった。それでも81分に点差を縮める。小屋松 知哉のスルーパスに反応した、細谷 真大が荒木 隼人のマークを振り切り、冷静にシュートを決めて1点を返した。劇的な逆転勝利を演じてきた柏は、このゴールで勢いを増し、85分には再び細谷がディフェンスラインの背後を突いたが、シュートは枠を捉えられなかった。そして試合終了のホイッスル。3−1でサンフレッチェが勝利を収め優勝を果たした。

怖い攻撃をし続けたのは広島
柏 広島
69% ボール保持率 31%
12 シュート 14
3 枠内シュート 8
776 (82.7%) パス(成功率) 295 (60.7%)
3 オフサイド 1
16 フリーキック 10
1 コーナーキック 1
0 ペナルティキック 0
イエローカード 0 レッドカード 0 警告・退場 イエローカード 1 レッドカード 0
スタッツを見ると、両チームともスタイルが異なるが、怖い攻撃をし続けたのはサンフレッチェ広島の方であった。レイソルはボールを保持し続けたが、要所でカウンターを喰らい危ないシーンを招いた。シュート数と枠内シュート数で、サンフレッチェはそれぞれ14と8でレイソルを上回った。そしてフリーキックでも貴重な2点目をサンフレッチェは奪い、戦略的かつ効率よく試合を進めることに成功した。レイソルとしては試合巧者ぶりを見せつけられたと言えるだろう。

弱点を突かれ、攻撃は今ひとつ
まず守備については、今シーズンを通して明るみになっている弱点を、徹底的に突かれた。サンフレッチェと同様にフィジカルサッカーを重視してくるチームに対して、レイソルは打開策を見いだせていない。具体的には、ヴィッセル神戸、FC町田ゼルビア、京都サンガFCを含めた4チームに、クロスボールから失点をしており、勝利を挙げられていない。
この試合も、DF陣の身長の低さを突かれてしまいロングスローから2失点。サンフレッチェは徹底的に、レイソルの3CBのサイドの背後にボールを放り込み、タッチラインにボールを切るように仕向けた。サンフレッチェ側からすると、これが功を奏したと言える。
それでも攻撃的なポゼッションサッカーで、数多くのゴールを決めてきたレイソルであったが、この試合ではマンマークディフェンスに苦しんだ。前半の立ち上がりは、瀬川を起点にスムーズに前進できていた。しかし相手が徐々に対応策を講じて、後半はなかなか思うように攻め立てられなかった。
81分に細谷が反撃の狼煙を上げたが、残り時間が少なかった。よりゴールに直結するプレーを見たかったが、残念ながらそのようなシーンは少なく、ペナルティーエリア付近でのクオリティーもイマイチであった。
3度目の正直とはならず
2020シーズンのルヴァンカップ、2023シーズンの天皇杯。いずれも国立決勝の舞台で、あと一歩届かずに終わった。そしてこの日は、3度目の正直という思いで勝利を信じていたが、またも優勝トロフィーを掲げることはできなかった。
優勝への執念が、サンフレッチェよりも足りなかったと言わざるを得なかった。近年、複数のタイトルを獲ってきたチームは、現実的かつ相手の弱点を徹底的に突くサッカーで、前半だけで3ゴール。対して、自分たちのサッカーを今シーズンに築いたレイソルは、後半に3ゴールのビハインドをひっくり返すことはできなかった。
無念の準優勝に終わったルヴァンカップだが、まだタイトルの可能性を残しているのが2025シーズンである。J1リーグでは、首位の鹿島アントラーズと勝点1差の2位である。ここでの悔しさは、リーグ優勝で晴らすほかない。







関連記事はこちら
gotohitachidai8.hatenablog.com
▼この記事の筆者について▼