11/3(日)にJ1のアビスパ福岡vs柏レイソルの試合が、ベスト電器スタジアムで開催された。レイソルは後半に同点に追いついたものの、アディショナルタイムに失点を喫し、痛い連敗を喫した。残留争いの渦中にあるチームに、何が起こっているかをまとめる。
一時は同点に追いつくも…
この試合のレイソルは、CBに犬飼智也を起用し4−4−2で挑んだ。対してアビスパ福岡は3−4−2−1のシステムのため、マークのずれをどのように攻略するかがポイントとなった。
開始1分にはアビスパの小田が負傷退場となってしまう。レイソルは前からマンツーマン気味にはめに行き、プレスを掛ける。それでも徐々にアビスパは、右サイドの紺野にボールを集め、サイドを幅広く使った攻撃でチャンスを作る。そのなかで40分、アビスパは右サイドのクロスに合わせた金森が先制ゴールを奪う。前半はアビスパが1点リードして折り返す。
後半立ち上がりはレイソルがペースを握る。すると49分、サヴィオが細谷とワンツーから見事なシュートを決めて同点とした。流れを食い止めるべく、アビスパは60分に岩崎とザヘディを同時投入。すると2人を起点にチャンスを作りはじめる。レイソルも交代カードを使い追加点を狙いに行く。しかし90分にアクシデント。犬飼が負傷し、立田がピッチに送り込まれる。そして90+2分、FKを獲得したアビスパはこぼれ球に反応した岩崎が勝ち越しゴール。2−1でアビスパが劇的な勝利を収めた。
3戦連続の悪夢
レイソルにとっては、再三警戒していたアディショナルタイムでの失点をまたもや喫し、勝点を手にすることができなかった。FC町田ゼルビア戦のPK献上から始まった負の連鎖は、浦和レッズ戦でも同様にPKを与え、そしてこのアビスパ福岡戦ではFKから失点。
この3試合で勝点5をゲットできたかもしれなかったが、結果的には勝点1のみ。残留争いが激しさを増す中、痛すぎる失点が続いてしまっている。この悪夢が続く結果に井原監督は「繰り返されている原因がわかれば教えてほしい」とのコメントを残し、最善は尽くしているがお手上げ状態であることを示した。
考えられる原因
不用意なファール
この3試合に共通しているのは、すべてセットプレーからゴールを許していることである。PKから2つ、FKから1つと、流れのなかで崩されたわけではないが、一つ一つをみると細かなミスが発生しており、それらが失点の要因となっている。町田戦ではフロートが最終ラインに入った時点でリスクがあった。福岡戦では山田が自陣近いところでファールを取られたが、時間が少なかったのでデリケートに対応するべきだった。
ボランチの守備力
上記の山田のプレーとも関連してくるが、やはり現状のボランチメンバーの守備力が良いものとは言えない。白井や手塚、山田はどちらかといえば攻撃に特徴を持つ選手である。そのためDF面では球際で負けたり、後手を踏んでファールを犯すなど、少々不安定なプレーが見て取れる。夏に海外移籍した高嶺が抜けた影響が、ここに来て響いていると言わざるを得ない。
追加点を奪えない
得点力不足は深刻さを増している。細谷と木下は思うようにシュートチャンスを作るに至らず、小屋松に至っては2024シーズンのゴールがない。サヴィオが孤軍奮闘している前線のメンバーにも責任はある。福岡戦では同点に追いついたものその後のチャンスを活かしきれず、そのツケを最後に払うことになってしまった。途中投入された熊澤、島村らもプレーはイマイチで違いを作るには至らず。9月以降の試合は複数得点の試合がない現状を改善しなければ、徐々に命取りとなってくることだろう。
次戦は新潟との6ポインター
次は16位アルビレックス新潟との直接対決である。この試合で勝利すればJ1残留へ近づくが、負ければいよいよ背水の陣となる大一番である。直近のルヴァンカップ決勝では惜しくも敗戦を喫したものの、試合内容は好印象であったことから、レイソルは苦戦を強いられることだろう。
個人的にはボランチに土屋を起用した、4−1−4−1で挑む作戦を検討してほしい。ポゼッション率では圧倒される中で、彼の粘り強いディフェンスは中盤で必要となるだろう。
また、前線は細谷、サヴィオ、小屋松とスピードのあるプレイヤーを活かし、相手サイドバックぼ背後のスペースへ放り込みたい。
リーグ戦は残り3試合となり、結果を出さなければ降格が近づく終盤戦となってしまった。ホーム日立台では満員のサポーターが後押しをするはずだ。必ず勝利し残留を手繰り寄せたい。
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