10/12(日)にルヴァンカップ準決勝の第2戦、柏レイソルvs川崎フロンターレの試合が、三協フロンテア柏スタジアム(日立台)で開催された。前半早々に失点したレイソルだったが、その後に怒涛の4ゴールを決めて、4-1とし2戦合計5-4で決勝戦進出を決めた。この試合を振り返る。
超攻撃的布陣を採用
最低でも2ゴールが必要なレイソルは、3-3-1-3の超攻撃的な布陣を採用した。第1戦からはスタメンを4枚変更し、3バックの左に三丸、アンカーに戸嶋、左インサイドハーフに出場停止明けの中川、右に小泉。トップ下に小屋松を据えて、3トップの右には東洋大学在学中の山之内が抜擢された。ベンチには不在だった古賀、原田らが名を連ねた。

アウェイの川崎フロンターレは、負傷した三浦に代わり田邉を左サイドバックに起用。その他は第1戦と同じスタメンとなった。

試合内容
川崎が先制も垣田弾で追いつく
序盤でリードを奪ったのはフロンターレだった。4分、伊藤の仕掛けからクロスのこぼれ球を拾った脇坂が右足を一閃。大きな先制点を奪ったアウェイチームが2試合合計で4-1とリードを広げた。さらに9分、中盤でボールを奪取すると、素早いカウンターを仕掛けて最後はエリソンがシュート。これは惜しくもゴール右に外れた。早くゴールが欲しいレイソルも、その1分後に小泉がペナルティーエリア手前まで仕掛けてミドルシュートを放つが、GKチョン ソンリョンに防がれてしまう。16分には山之内の折り返しを垣田が受けて反転しながらシュート。これは枠の上に外れる。20分にも柏のチャンス。右からのサイドチェンジを受けたジエゴがカットインして右足を振り抜いたが、枠の左へ。それでも26分にゴールネットを揺らす。右サイドから小泉の縦パスに反応した山之内が中央へとグラウンダークロス。これを垣田が合わせて1点を返す。前半アディショナルタイムにはカウンターから柏が決定機。中央でボールを受けた小屋松から左の中川へ。右足で後方に落とすと待っていたジエゴがシュートを放つも、クロスバーの上を越えてしまう。前半は1-1で折り返す。
一気に3ゴールで大逆転
後半に入って柏は3選手を交代。メンバーに復帰した原田と古賀、そして最前線に細谷 を投入。攻勢を仕掛けると47分、早速左サイドからのジエゴのクロスに細谷が合わせたが、惜しくもゴール左に外れる。以降は勢いを持ってボールを保持する柏が猛攻。すると56分、小屋松の縦パスに抜け出した細谷を倒したウレモヴィッチが、決定的な得点機会の阻止(DOGSO)によって退場処分に。
川崎Fは10人でリードを守らなければいけない状況となる。フロンターレは5バックを形成し守りに入る。迎えた73分、レイソルのショートコーナーから右サイドで仲間がゴール前にクロスを入れると、山之内が反応。こぼれ球を再び仲間が拾って左足でフィニッシュ。これが決まり、2戦合計3-4と1点差に詰め寄った。さらに77分、左サイドからの仲間のクロスをヘディングで決めたのは、エースの細谷。
ついに同点に追いつく。そして後半アディショナルタイム、仲間の浮き球に反応した細谷が胸トラップから前を向き、強烈なシュートを叩き込んで4点目。これで2試合合計でのスコアをひっくり返した。ロングボールを入れる川崎Fの猛攻もはね返し、4-1(2試合合計5-4)と大逆転でファイナルの切符を手にした。
怒涛の攻撃を見せた
柏:川崎
シュート 21:7
枠内シュート 9:2
パス 757:273
FK 12:13
CK 7:2
イエロー 1:2
レッド 0:1
ボール保持率 66%:34%
攻めるしかないレイソルはホームの地の利を活かしてフロンターレのゴールを攻め立てた。シュート数はフロンターレの3倍、枠内シュートも4倍以上放った。フロンターレは先制したが後半に退場者を出したことで、試合が難しくなり防戦一方に。急造5バックでは、耐えきれずに万事休すだった。
交代策でギアを上げた
前半は垣田の1ゴールのみにとどまったが、リカルド・ロドリゲス監督の交代策が見事にハマった。まずはハーフタイムに3枚替え。より攻撃を鋭くするためにDFラインはレギュラー陣を、最前線には細谷を起用した。すると、古賀の縦パスから攻撃が始まり、スルーパスが細谷に渡ったところでフロンターレのウレモヴィッチが堪らずファール。一発退場に追いやり、そこからさらにレイソルが勝負をかけた。

67分、ジエゴに代わり仲間を投入。すると、仲間が1点差に迫るゴールを決める。その直後にはアシストで細谷の同点弾を演出。そして迎えた後半アディショナルタイム、仲間が意外性のある浮き球を細谷に配球。細谷は佐々木を背負いながらも、反転してシュート。ニアサイドを射抜いて日立台劇場を巻き起こした。
リカルド・ロドリゲス監督の采配が的中し続ける今シーズン。この重要な試合でも、その手腕が発揮され、見事な大逆転勝利となった。
日立台劇場で5年ぶりの決勝へ
一時は3点差を追いかける展開となったが、レイソル側で諦める人は誰もいなかった。今シーズンのレイソルなら逆転できると、選手・スタッフ・サポーター一同が信じ続け、そしてその通りとなった。まさに歴史的にも稀に見る大逆転勝利である。
負傷者が相次ぎ、苦しい状況でも戦術の変更や、新しいメンバーの起用で逆境を乗り越えてきた。この試合も、大学生の山之内をスタメン起用するギャンブルに出た。試合開始直後は、緊張からかミスが目立ったが、終わってみれば2アシストを記録。この短期間の3試合で、欠かせない存在へとなりつつある。
2020シーズンにはこの大会で決勝まで上り詰めたが、あと一歩届かず準優勝に終わった。そして直近では2023シーズンの天皇杯でも準優勝。3度目の正直、というサポーターは多いはずだ。11/1の国立決戦は、今までの苦しみすべてを払拭してくれるはず。最高の結果を信じている。


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