2025シーズン、柏レイソルは大幅に体制を刷新したことで、J1で2位、ルヴァンカップでは決勝へ進出した。ここでは、柏レイソルのルヴァンカップの決勝戦までの道のりを振り返る。
苦しみながらも1stラウンド突破
今シーズンから、Jクラブの全60チームが参加する方式にとなった。まず1stラウンドの1回戦では、J3のアスルクラロ沼津とアウェイで対戦。慣れないピッチでの試合となったが、仲間がミドルシュートを決めて1−0の勝利を収めた。
続く2回戦は、同じJ3の福島ユナイテッドFCと対戦。序盤に2点を先行するが、勢いのある相手に同点を許してしまう。それでも、後半終了間際に渡井がゴールネットを揺らして、3−2で競り勝った。
そして3回戦では、J2のレノファ山口FCと対戦。かつて柏レイソルでプレーした、渡部博文が社長を務めるチームとの試合が、次のラウンドを決める試合となった。この試合では大卒ルーキーの中川が初ゴール。GK松本の好セーブもあり、レイソルが2−0でプレーオフラウンド進出を果たした。
東京ヴェルディを2戦合計5−1で下す
プレーオフラウンドの相手は、東京ヴェルディであった。アウェイでの第1戦、熊坂の負傷離脱により中川をボランチで抜擢。レイソルが完全にゲームを支配して、その中川の先制弾を皮切りに、久保、垣田がゴール。3−0と完勝した。
続く第2戦では、相手に先制を許すも渡井と垣田のゴールで逆転。2−1でプライムラウンド進出を決めた。
横浜FM相手に圧巻のゴールショー
プライムラウンドの1回戦、相手は横浜F・マリノスとなった。2024シーズンの立場が逆転し、レイソルは日産スタジアムで圧巻のパフォーマンスを見せた。前半にジエゴのゴールで先制。その後、マリノスが押し込む展開となるが、GK小島を中心に凌ぐ。後半には瀬川、そして垣田がループシュートを含む2ゴール。苦しむ時間帯があったが、決定機を決めきり4−1で大勝を収めた。
第2戦では、マリノスが先制かと思われたがVARでゴール取り消しに。第1戦同様に苦しい展開もあったが、後半途中出場の戸嶋が終了間際にゴールネットを揺らして、1−0で勝利。2戦合計5−1とし、準決勝へと駒を進めた。
レイソルの歴史に残る大逆転
準決勝の相手は、レイソルが苦手とする川崎フロンターレ。アウェイの第1戦では、前半に2つのミドルシュートを決められてしまう。後半に小泉のゴールで1点差とするも、絶好調の伊藤達哉にダメ押し弾を決められて1−3。この大会で初めての敗戦を喫した。
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最低でも2ゴールが必要な第2戦。攻撃的なフォーメーションで挑むも、立ち上がり早々に失点。3点差と広げられるが、ここからレイソルの反撃が始まる。前半のうちに垣田のゴールで差を縮める。後半頭から一気に3枚を投入。すると細谷が抜け出したシーンで相手がファール、DOGSOで退場となり数的優位に。73分に仲間、77分に細谷のゴールでついに同点とする。そして後半アディショナルタイム。細谷が見事なゴールを叩き込み、2戦合計5−4の大逆転勝利を収めた。
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中川と山之内の台頭
この大会では、若い選手が積極的に起用され、その中でも2選手が輝きを放った。まずは中川。法政大学出身のルーキーは、レノファ山口FCでのゴールからチャンスを掴み、東京ヴェルディ戦では本職ではないボランチでスタメンに抜擢された。
トップ下など攻撃的なポジションを得意とするが、リカルド・ロドリゲス監督は彼のボールコントロールやドリブルの良さ、両足での正確なロングキックを高く評価した。熊坂の不在を感じさせないプレーで信頼を勝ち取り、Jリーグでもスタメン出場を続けることになった。
もう一人は東洋大学に在学中の山之内である。天皇杯でのレイソルとの対戦では東洋大学の選手として、日立台でゴールを決めてチームの躍進を支えたキャプテンだ。右ウイングバックの久保が、戦線離脱を強いられるなかで、リーグ戦の横浜F・マリノス戦でプロデビュー。
すると川崎フロンターレとの第1戦では、途中出場で違いを見せ続ける好パフォーマンス。第2戦ではスタメンに抜擢された。本職ではない右サイドでも躍動しアシストを記録する活躍を見せ、わずかな期間で急成長中のワンダーボーイである。
久々のタイトルを
ついに決勝戦まで上り詰めた。決勝の相手はサンフレッチェ広島である。リーグ戦では2戦とも引き分けに終わり、決着をつけるのにふさわしい舞台が整った。
レイソルは2020シーズンはルヴァンカップで、2023シーズンは天皇杯で、あと一歩届かずに準優勝に終わった。筆者をはじめ、「3度目の正直」と意気込むレイソルサポーターは多いことだろう。
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最後にレイソルがタイトルを獲得したのは、2013シーズンのルヴァンカップ(当時はヤマザキナビスコカップ)である。その時、ゴールを決めた9番は天に召された。そして、その9番を背負っている細谷が、準決勝では躍動した。12シーズンぶりのタイトル獲得に向けて、今のレイソルは準備万端である。
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