12/9(土)に天皇杯決勝の川崎フロンターレvs柏レイソルが、国立競技場で開催された。両チームとも決定機を作りながらもゴールを奪えず、PK戦までも連れ込んだ末、8-7でフロンターレが優勝を決めた。この試合を振り返る。
メンバー
両チームのスタメンはこちら。
GK 99 上福元
DF 4 ジェジエウ(←3大南、87分)
MF 6 シミッチ(←14脇坂、87分)
MF 30 瀬川(←33宮代、64分)
FW 11 小林(←9ダミアン、77分)
FW 17 遠野(←16瀬古、64分)
FW 18 ゴミス(←11小林、106分)
GK 21 佐々木
DF 2 三丸
DF 24 川口(←34土屋、93分)
MF 28 戸嶋(←14小屋松、77分)
MF 41 仙頭(←5高嶺、93分)
FW 9 武藤(←6椎橋、104分)
FW 45 山本(←11山田康、77分)
フロンターレはお馴染みの4-3-3のシステムで、古巣対決の大南をスタメン起用。左ウイングには宮代を起用し、L・ダミアンと家長とともに3トップを形成。ベンチには瀬川、ゴミスらが控える。マルシーニョはメンバーから外れた。
レイソルは出場停止3名のところに、立田、片山、小屋松を起用。土屋を右SBに配置、ボランチには高嶺が復帰。ベンチには仙頭、武藤らが控え、ルーキー山本もメンバー入りした。
内容
立ち上がりからレイソルが攻め立てる。2分に放ったサヴィオのシュートを皮切りに、多くのCKも獲得。9分に山田康太、10分に高嶺、小屋松とゴールを狙い続ける。21分にはサヴィオが持ち上がりから惜しいシュートを放った。一方でフロンターレは思うようにパスを繋げず、40分の瀬古のシュートも枠の上に。前半は0-0で終了した。
後半フロンターレがギアを上げて試合に入り、47分にFKを脇坂が直接狙って後半最初のシュートを打った。それでもレイソルが決定機を掴む。69分、細谷が最終ラインの裏に抜け出す大チャンスが到来。大南に倒されそうになりながらも耐えて持ち上がる。しかし、最後はタッチが大きくなってGKチョン・ソンリョンのセーブに遭った。その後、交代カードを使うと両チームともに球際が激しく、終盤に向けてボルテージが上がっていく。後半アディショナルタイムにはレイソルのCKから片山がポスト直撃の惜しいシュートを放った。後半もスコアレスで、試合は延長戦へ突入した。
延長戦はきっ抗した流れのまま進んでいく。そして99分、またも細谷が最終ラインの裏に抜け出す。しかし、この1対1はGKチョン・ソンリョンが素晴らしい飛び出しからシュートを体に当てて防いだ。延長後半からフロンターレは最後のカードとしてゴミスを投入すると、118分に山根からのクロスをゴミスがヘディングで合わせるが、これはGK松本のスーパーセーブによって防がれた。そのままゴールは生まれず、PK戦に突入した。
PK戦では5人目ゴミスのキックをレイソルGK松本がセーブし、サドンデスへ。6人目で登里が松本に止められたため、片山が決めればレイソル優勝。しかしキックはクロスバーを叩いた。そしてキッカーがGK同士の10人目までもつれ込む。最後は松本のキックをチョン・ソンリョンが見事にセーブ。8-7でフロンターレが天皇杯優勝を果たした。
スタッツ(川崎:柏)
シュート数 7:19
枠内シュート 4:13
ボール支配率 60:40
CK 4:8
FK 22:12
イエロー 1:1
レッド 0:0
立ち上がりからレイソルが果敢に攻め立て、シュート数は20本近く放った。枠内も13とゴール期待値は高かったが、GKチョン・ソンリョンが立ちはだかった。フロンターレは劣悪な芝生の影響か、テンポの良いパスワークでゴールに攻めることは出来ず苦しんだ。後半にはシュートチャンスを作ったが、120分までゴールを決めるには至らなかった。
キーモーメント
細谷の2度の決定機。まず69分は、サヴィオが裏に蹴ったボールに対しいち早く対応。昨年まで同僚だった大南のチャージを耐えGKと1vs1に。しかしタッチが長くなり、シュートには持ち込めなかった。2つ目は延長戦の前半、ヘディングで持ち出しシュートも、チョン・ソンリョンの素早い反応に遭いゴールを決められなかった。
2023シーズン何度も見受けられた細谷の1vs1のシーン。どちらかを決めていればヒーローとなっていただけに悔やまれる。しかしDOGSOとなってもおかしくない場面で、フィジカルの強さを見せ倒れずに突き進んだ。間違いなく日本を代表するストライカーになるだろう。
優勝まであと僅かだった
内容としてはレイソルが勝ってもおかしくなかった。しかしフロンターレの経験値が勝ったのか、最後のところを仕留めることは出来ず、GKチョン・ソンリョンが勝利へ導いた。
苦しいシーズンを過ごしてきたレイソルにとって、タイトル獲得は全てを吹き飛ばす唯一の希望だった。天皇杯に限れば失点は僅か1、この試合でも強固なディフェンスは光っていた。
悲劇的な結末に悔しさで言葉を失う事になったが、一年を通して選手・スタッフの方々は苦しい局面を戦い抜いた。感謝申し上げると共に、2024シーズンこそはタイトル獲得を期待したい。
関連記事はこちら
gotohitachidai8.hatenablog.com