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このコンテンツでは、柏レイソルを中心に国内・海外サッカーの話題や、千葉県柏市の話題を取り上げる。

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木下康介と島村拓弥の適切な起用法が見えた?


5/15(水)に開催された、J1柏レイソルvs湘南ベルマーレで、レイソルは2-1で勝利を収めた。久しぶりの逆転での勝点3には、今シーズン加入した木下康介と島村拓弥が貢献することとなった。ここでは2人の起用法について綴りたい。

劇的な逆転勝利

レイソルはホーム日立台での試合にも関わらず、立ち上がりからベルマーレにゲームを支配された。右SB関根大輝とマッチアップする、畑大雅は好調でベルマーレの左サイドから幾度とピンチを招く。それでもGK松本健太のセーブなどでシュートを防ぐ。レイソルは前半終了間際に細谷真大がヘディングシュート。これはクロスバーに弾かれ、0-0で前半を折り返す。

 

後半は頭から投入された、ベルマーレ福田翔生が攻撃を活性化する。レイソルも58分に木下と島村を同時に投入するが、先制したのはベルマーレ。73分に福田がゴールを決める。それでもレイソルがすぐに追いつく。77分にサヴィオのスルーパスに細谷、折り返しを木下が決めた。すると89分、ベルマーレ福田が一発退場となりレイソルが数的優位に。そして後半アディショナルタイム。島村拓弥のクロスに細谷がトラップしシュート、劇的な勝ち越しゴールが決まった。2-1で試合終了し、大きな勝利を手にした。

 

この試合でも活躍した2人

この勝利には木下と島村の活躍が見逃せない。長身190cmの木下は後半のロングボール戦術のキーマンで、レイソルの選手は彼にボールを集めた。そしてゴール前ではポジショニングとシュート技術が素晴らしく、この日で5ゴール目を記録。途中出場が多いにも関わらずチームのトップスコアラーだ。そのシュート決定率は23.8 %と驚異的である。

 

島村は終盤になるにつれて存在感を発揮した。ドリブル突破は控えめだったが、右サイドで時間を作りゲームを落ち着かせ、味方の押し上げを促した。2点目のシーンでは、熊澤和希のロングボールを見事にバックスピンをかけてトラップ、細谷を見つけクロスでアシストを決めた。

 

アンケート結果

ゴールに直結する働きを見せている2人の起用法は、スタメンなのかベンチなのか議論を呼ぶところだろう。筆者はXでアンケートを実施した。

結果として、ゲームチェンジャーの働きを期待し2名ともベンチスタートの票が最も多かった。

 

データもそれを支持しており、2024シーズンにレイソルが勝利した4試合は、全て木下と島村の同時投入を行っている。

 

井原監督の采配に注目

木下は5ゴール、島村は3ゴール3アシストと新戦力の選手が見事に結果を出している。2023シーズンには見られなかった、層の厚さが今シーズンは見て取れる。

 

この2人をどう起用するのか、井原監督は試行錯誤している。結果を出した次の試合はスタメンで起用する傾向にあるが、うまくはいっていない。かといって、彼らをベンチに固定することは、モチベーションを削いでしまう可能性がある。

 

同時投入すれば勝利できるという方程式。これを手に入れてしまったことで、チームにどう影響するのかは井原監督次第だろう。

 

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<マッチレビュー>J1第13節FC東京vs柏レイソル 2024年5月11日

5/11(土)にJ1のFC東京vs柏レイソルの試合が、味の素スタジアムで開催された。試合は前半から打ち合いとなり、3-3で引き分けで終わった。この試合を振り返る。

メンバー

両チームのスタメンはこちら。

サブ

FC東京

GK 1 児玉(←39仲川、45+5分)

DF 4 木本(←44トレヴィザン、89分) 

DF 5 長友(←33俵積田、72分)

DF 43 徳元

MF 40 原川(←9オリヴェイラ、72分)

FW 28 野澤

FW 70 ジャジャ・シルバ(←49バングーナガンデ、89分) 

 

柏レイソル

GK 31 守田

DF 24 川口(←32関根、74分)

DF 50 立田(←3ジエゴ、77分)

MF 28 戸嶋(←34土屋、46分)

MF 48 熊澤(←29島村、89分)

FW 15 木下(←14小屋松、46分)

FW 37 鵜木

 

3連勝中のFC東京は古巣対決のオリヴェイラがスタメン、新加入の白井、U−23日本代表の松木も名を連ねた。ベンチには長友、ジャジャ・シルバらが控える。

 

アウェイのレイソルはU−23日本代表の細谷と関根はメンバーがスタメンに復帰。前節ゴールの島村もスタメン起用となった。ベンチには木下、鵜木らが控える。

内容

前半開始早々にゲームが動く。2分に高い位置でレイソルの土屋がボールを奪取、サヴィオがダイレクトでシュートを決めた。しかしFC東京もすぐさま追いつく。6分にCKからシュートでつなぎクロス。こぼれ球を仲川が押し込んだ。その後は一進一退の展開となる。22分には左サイドのサヴィオからジエゴへ。クロスに関根が飛び込んだがDFのクリアに遭う。30分にはFC東京のチャンス。バングーナガンデのクロスに安斎が飛び込むとジエゴが倒してしまいPKを獲得。これをオリヴェイラが決めて2-1。37分にはCKのこぼれ球を松木がダイレクトボレー。見事なゴラッソが決まり3-1と引き離す。しかし42分、FC東京森重のロストから細谷がGK波多野に倒される。これがDOGSOの判定となりレッドカードが提示される。45+6分、そのファールで得たFKをサヴィオが狙うが、これは枠を捉えられず。前半は3−1でFC東京がリードする。

 

後半頭からレイソルは木下、戸嶋の2枚を投入する。すると46分に、レイソルの犬飼のロングシュートを放つ。これが左隅に決まり1点差とする。53分はFC東京の俵積田がシュートもブロックされる。58分にはレイソルがとうとう同点に追いつく。白井のミドルシュートのこぼれ球を島村が押し込んだ。その後はレイソルがボール保持も、FC東京がカウンターでチャンスを作りかける展開となる。80分にはレイソル細谷がシュートも右に外れる。82分には途中出場の川口のクロスに木下が飛び込むも枠を捉えられず。直後も細谷のフリックに木下がシュートもブロックされる。90+1分にはCKから木下のヘディングシュート。しかしGK児玉に防がれる。90+7分には川口が枠内にシュートを放つが、これも児玉が防ぐ。打ち合いの試合は3−3で引き分けた。

スタッツ

基本スタッツ

前半はFC東京が、後半はレイソルが主導権を握った。後半に数的優位を生かしたレイソルが、シュート数16、枠内シュート数10を記録した。CK数は同じだったが、FC東京は2ゴールを生み出した。ポゼッション率では試合全体では大差がない数字となった。

 

キーモーメント

46分の犬飼のロングシュートのシーン。左サイドで押し込む展開を作ったあと、白井からフリーの犬飼へ。犬飼は少し持ち込んだあと、右足を振り抜くと伸びたシュートは見事なゴラッソとなった。誕生日前日に自身のゴールで祝うことになった。

 

もともとキックは素晴らしいものを持っており、アントラーズ時代に見られたシュートが、レイソルでもついに見ることができた。後半早い時間帯にゴールを決めたことにより、その後追いつく流れとなった。シーズンベストとも言えるスーパーシュートは、間違いなくこの試合のポイントであった。

MVP

FC東京のGK児玉を挙げたい。前半終了間際に波多野が退場となったことにより、スクランブル出場となった。2失点を喫したものの、80分以降にレイソルのシュートをことごとく防ぎ勝点1を手にする立役者となった。特に後半アディショナルタイムにCKから木下のヘディングシュートを、セーブした場面は見事であった。次戦はスタメン出場が濃厚だが、ベテランGKの力は好調なチームに大きな影響を与えている。

 

数的優位も勝ち越せず

3−3と壮絶な打ち合いは引き分けに終わった。リーグ戦では初めて複数得点を奪ったが、数的優位の時間が長かったにも関わらず、勝ち越すことはできなかった。特に3点目を奪ったあとの時間帯、なかなかゴール前まで持って行けず、カウンターを何度も食らってしまったことは反省しなければいけない。

 

ほかにも数多くの反省点があるが、連敗を2で止めたことは大きい。好調なチーム相手の勝点1を奪えたことをポジティブに捉え、失速しているチームを上向きに持っていきたいところである。

 

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<マッチレビュー>J1第12節柏レイソルvs鹿島アントラーズ 2024年5月6日

5/6(月)にJ1の柏レイソルvs鹿島アントラーズの試合が、三協フロンテア柏スタジアム(日立台)で開催された。試合は後半アディショナルタイムにチャヴリッチがゴールを決めて、1−2でアントラーズが勝利を収めた。この試合を振り返る。

メンバー

両チームのスタメンはこちら。

サブ

柏レイソル

GK 31 守田

DF 3 ジエゴ(←2三丸、79分)

DF 50 立田

MF 48 熊澤

FW 15 木下(←33白井、46分)

FW 37 鵜木(←14小屋松、79分) 

FW 45 山本(←29島村、90+1分) 

 

鹿島アントラーズ

GK 29 梶川

DF 16 須貝(←8土居、90+3分)

MF 8 土居(←30名古、63分)

MF 14 樋口(←36師岡、78分)

FW 15 藤井

FW 7 チャヴリッチ(←33仲間、63分) 

FW 37 垣田

 

ホームのレイソルは前節からスタメン4名を変更。三丸がリーグ戦初スタメンとなった。ベンチには鵜木が初のベンチ入り、木下らと控える。U−23日本代表の細谷と関根はメンバーから外れた。

 

アウェイのアントラーズは古巣対決の仲間がスタメン。最前線には前節2ゴールの鈴木、トップ下に名古、右サイドには初スタメン師岡が入る。ベンチには土居やチャヴリッチらが名を連ねた。

 

内容

前半開始早々、アントラーズが先制点を奪う。4分に仲間の粘りから佐野へ繋いで裏抜けした名古へ。切り返しからゴールネットを揺らした。その後はアントラーズがペースを握り続ける。5分は師岡がシュート。20分には濃野がシュートを放つ。レイソルは相手のハイプレスでなかなかつなげることができない時間が続く。26分にはアントラーズ濃野のクロスに鈴木がシュートもDFのブロックに遭う。39分はレイソルにビッグチャンス。犬飼のロングボールに抜け出しだサヴィオループシュート。しかしゴールには至らず。前半レイソルはこの1本のみのシュートとなり、アントラーズが1点リードして折り返す。

 

後半頭からレイソルは木下を投入する。56分はアントラーズ安西から鈴木がシュートも右ポストに弾かれる。レイソルは徐々に流れを引き寄せると、65分に同点とする。戸嶋のスルーパスから最後は島村が決めた。その5分後の70分にはペナルティエリア内でハンドがあったとしてPKを獲得。しかしサヴィオのシュートは左に逸れてしまう。木下を中心に攻め立てるレイソルは、77分にCKから小屋松がヘディングシュート。これはGK早川が防ぐ。79分には途中出場の鵜木がシュート。終盤はアントラーズが攻める。88分には土居が枠内シュートもGK松本がセーブ。89分には鈴木がシュートもDFのブロックに防がれる。アディショナルタイムの90+2分、アントラーズがゴールを決める。鈴木のスルーパスにチャヴリッチが反応して決めた。これが決勝点となり、1−2でアントラーズが勝利した。

スタッツ

基本スタッツ

前半はアントラーズが、後半はレイソルが主導権を握った。枠内シュート数はアントラーズが9と高い数字を残した。レイソルは後半に自分たちの時間を作ったが、全体のポゼッション率では45%にとどまった。走行距離とスプリント回数ではレイソルが上回ったが、決定力不足が響いた。

 

キーモーメント

ヴィオの2度の決定機。70分にはカウンターからのこぼれ球にシュートすると、植田のハンドとなりPKを獲得。これを自身がキッカーを務め左を狙ったが、わずかに逸れてしまう。そして試合終了間際のシーンでは、土屋のロングボールに抜け出し、GK早川がいない無人のゴールに流し込むもポストに阻まれた。

 

連戦の疲労からか、大事な場面で力を発揮できず悔しい試合となってしまった。どちらかが決まっていれば勝点を拾えていただけに、10番の決定力が大きく響いてしまった。

MVP

アントラーズの鈴木優磨を挙げたい。前半は前線から降りて自由に動き回り、レイソルの嫌なポジションで起点を作った。調子の良さを見せトリッキーなプレーもいくつか見られた。56分のシーンでは惜しくも決めきれず、それでも決勝点の場面では絶妙な浮き球スルーパスでチャヴリッチのゴールをアシスト。まるでイングランドのハリー・ケインを彷彿させるプレーは、Jリーグ屈指のストライカーの証であり、この試合でも存分に力を見せつけた。

 

チャンスを活かせず初の連敗

ゴールデンウィーク連戦は1分2敗の勝点1のみとなってしまった。前節からの反省を活かして、後半頭から交代策を投じてロングボール主体のサッカーに切り替えた。そして同点から逆転までの道筋は見えたが、決めきれずに最後は痛恨の失点を喫した。

 

これでシーズン初の連敗となり、チームには暗雲が垂れ込み始めている。しかし次戦からは細谷と関根の起用が可能なはずだ。彼らの力を借りつつ、嫌な雰囲気を早く払拭したい。

 

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柏レイソル2024シーズン10試合を終えて見えてきたもの

2024シーズンが始まり、リーグ戦10試合とルヴァンカップ1試合を消化した。柏レイソルは2024シーズンは、2023シーズンと比べると上々の結果でスタートした。ここではリーグ10試合の流れを振り返り、見えてきたものを詳しく述べていく。

結果一覧

ちばぎんカップvsジェフ千葉 ●1-2 サヴィオ

ルヴァンカップvsザスパ群馬 ◯3−1 武藤、立田、戸嶋

 

開幕節は引き分け発進となったが、王者ヴィッセル神戸を破るなどで最初の3試合は2勝1分と好スタートを切った。しかし第4節で初黒星を喫すると、引き分けが多く続いた。5/5現在、1試合未消化があるが13位に位置している。

 

ここまでの流れ

ここからはターニングポイントとなった試合をいくつかピックアップし、チームの流れを解説していく。

固い守備をベースに攻撃を工夫

2023シーズン終盤戦から、簡単に負けないチームを作ることができた。4−4−2をベースに前線から厳しくプレッシャーをかけに行く。また今シーズンはDFラインを高く設定し、コンパクトかつ意図的にオフサイドを取りにいっていることも傾向として見られる。その結果、失点数は9とひと桁に留めておりJ1の中でも上位の数字である。

 

また今シーズンはキャンプから攻撃の形に工夫を凝らしている。後ろを3枚気味に変形して、前線に厚みをかける。ポゼッション率の向上も目指しており、縦に早いサッカーだけでなく遅攻から相手のポケットを取りに行くことが戦術として浸透している。

 

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王者ヴィッセル神戸に勝利

第2節でアウェイのヴィッセル神戸との試合を迎えた。この試合ではチャンピオンチーム相手に好ゲームを演じて、新加入の島村拓弥のクロスに木下康介がゴールを決め勝利した。途中出場の選手が躍動したこと、そして新加入の2人が早速結果を残したことで、レイソルは早くも勝ち点3をゲットすることができた。

 

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3戦連続の引き分け

第4節名古屋グランパス戦に負けたあと、連戦となったがすべてを1−1で引き分ける結果となった。第5節アルビレックス新潟戦、第6節セレッソ大阪戦は内容としては勝たなければいけなかった。リーグ戦に限ると2点を取ることが一試合もできておらず、課題が浮き彫りになった連戦であった。

 

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因縁の相手に勝利

第8節はホーム日立台浦和レッズと対戦した。この試合からU−23アジアカップに参加する細谷真大と関根大輝はチームから離脱。多少なりとも不安はあったが、木下康介のゴールで1−0の勝利を収めた。初スタメンとなった川口尚紀も好パフォーマンスを見せ、昨シーズン屈辱的なチャントを浴びせられた相手に、シーズンベストとも言える素晴らしいゲームを披露した。

 

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好調チームに完敗

サガン鳥栖と引き分けたあと、第11節はアウェイでFC町田ゼルビアと戦った。この試合では立ち上がりからロングスローやCKを何度も浴びせられた結果、前半9分に失点。その後なかなかシュートチャンスを作れず、後半にも追加点を許し0−2の敗戦。立田をスタメン起用する策に出た井原監督だが、対応が後手に回り文字通りの完敗となってしまった。

 

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不安と期待が入り交じる

ここまでの戦いでは良い試合と悪い試合がはっきり見えた。力のあるチーム相手にも勝利できることが分かった反面、ゴール数がどの試合も1ゴールにとどまっており、なかなか勝ちきれないことも分かった。

 

5月と6月は連戦が続く厳しいスケジュールとなっている。スタメン組の疲労が蓄積されていく中、出番の少ない選手や若手選手に期待したい。個人的に期待したいのはフロート。昨シーズン鳴り物入りで加入したが、思うように出番をもらえていない。今シーズンは本来の力を発揮してほしいところだ。若手選手では山本桜大。彼は出番をもらっているので、ゴールという結果が出れば必ず活躍するポテンシャルを秘めている。

 

U-23日本代表は優勝して帰国し、細谷と関根も素晴らしい活躍を見せた。次節の鹿島アントラーズ戦でメンバー入りするかは不透明だが、上位進出するためにゴールデンウィーク終戦は勝利必須である。

 

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U23日本代表がアジア制覇!柏レイソル戦士3名も躍動


日本時間5/4(土)にU-23アジアカップの決勝、日本vsウズベキスタンが行われた。試合は後半終了間際に途中出場の山田楓喜が決勝ゴールを決めたあと、PKのピンチを小久保玲央ブライアンが防いで、1-0で日本が優勝を果たした。ここでは試合の振り返りと、柏レイソル戦士3名の活躍をまとめる。

 

終盤に劇的な勝利

立ち上がりからウズベキスタンの猛攻に耐える展開が続き、積極的なシュートとハイプレスに苦しんだ。徐々にポゼッション率を高め攻撃の糸口を見つけようとするが、思うようにゴール前まで進めない。前半は28分に相手のミスを突いて佐藤恵允が放ったシュート1本のみに止まった。0-0でハーフタイムを迎える。

 

後半は日本が積極的にプレーし、藤田譲瑠チマを中心にゴールへ迫る。ウズベキスタンも決定機を作り一進一退の攻防が続くなか、後半アディショナルタイムにゴールが生まれる。90+1分、荒木遼太郎のフリックから山田楓喜がシュート。ニアサイドを射抜き待望の先制ゴールが日本に入る。しかし90+10分、ペナルティエリア内で関根大輝のハンドを取られPKの判定が下る。これをGK小久保玲央ブライアンが完璧にセーブし、1-0の劇的な勝利を収めた。

 

活躍したレイソル

小久保玲央ブライアン

この年代は熾烈なGK争いが行われている中、柏レイソルユース出身の小久保がこの大会ではファーストチョイスとなった。初戦の中国戦では1vs1を止めるなどビッグセーブを連発。また決勝のウズベキスタン戦では山田のゴール後、PKを献上してしまった場面で素晴らしいシュートストップと輝きを放った。足元の技術も高く、正確に縦パスを通して攻撃の起点にもなっていた。

 

柏レイソルユースでは国際大会で活躍し、ポルトガルの名門ベンフィカへ。現在はBチームに所属しておりトップチームでの出場はないが腐らずに力を付けてきたことがこの大会で証明された。パリオリンピック本大会での活躍も期待したい。

 

関根大輝

拓殖大学4年生ながら柏レイソルに1年前倒しで加入、開幕戦からいきなりスタメン出場を果たすと高パフォーマンスで代表にも選出された。長年半田陸が務めていた右サイドバックを奪取し、この大会でも好調さを見せた。187cmの長身を生かしたヘディングやディフェンス、静岡学園仕込みの技術を随所に見せチームに貢献した。

 

1年前はほぼ無名だったシンデレラボーイは自信を持ってプレーを続け、一気にブレイクしている。オリンピック本大会に選出されてもなんら不思議ではない。関根の飛躍がどこまで続くのか注目したい。

 

細谷真大

A代表アジアカップにも参加したストライカーは、この大会で本来の力を取り戻した。柏レイソルでは今シーズン無得点と結果を残さずにいた。この大会に入ってもなかなか調子が上がらないように見えたが、準々決勝カタール戦で、荒木のパスを受けてから見事なゴールを決めてみせた。続く準決勝イラク戦では藤田のロングパスで裏抜けすると、素早いターンからゴール右隅に流し込んだ。

 

2023シーズンから続く過密日程をこなしている細谷に対し心配する声もあったが、この大会では改めて自身がチームのエースであることを証明した。レイソルに戻ってもゴールを決めてサポーターを喜ばせてくれるに違いない。

 

いざパリ本大会へ

パリオリンピック出場を決めた若き日本代表にとって、ここからは熾烈なメンバー争いが待っている。一部報道ではDF陣にオーバーエイジを加えると言われており、18名のうち3名はA代表メンバーが加わることだろう。

 

そして招集外の選手は多く、例えば久保建英鈴木彩艶、福田師王ら今大会に選ばれていないタレントはまだまだいる。その中でも小久保、関根、細谷の3名は充分アピールできたはずだ。チームでも継続してアピールし、パリオリンピック出場を叶えてほしい。

 

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<マッチレビュー>J1第11節FC町田ゼルビアvs柏レイソル 2024年5月3日


5/3(金)にJ1のFC町田ゼルビアvs柏レイソルの試合が、町田GIONスタジアムで開催された。試合はゼルビアが2ゴールを決めて2-0で勝利した。この試合を振り返る。

メンバー

両チームのスタメンはこちら。

 

サブ

FC町田ゼルビア

GK 42 福井

DF 4 池田

DF 33  望月(←6鈴木、90+5)

MF 18 下田(←8仙頭、89分)

MF 41 安井(←47荒木、89分)

FW 11 エリキ(←90オ・セフン、80分)

FW 15 デューク(←10ナ・サンホ、80分) 

 

柏レイソル

GK 31 守田

DF 2 三丸

DF 13 犬飼

MF 28 戸嶋(←34土屋、70分)

MF 29 島村(←10サヴィオ、73分)

FW 17 フロート(←14小屋松、70分) 

FW 45 山本(←15木下、70分) 

ホームのゼルビアは元日本代表の谷、昌子らをスタメン起用。古巣対決となる仙頭もスタメン。ベンチにはエリキやデュークらが控える。

 

アウェイのレイソルは前節からスタメン2枚を変更。立田がリーグ戦で初スタメン、FW木下もスタメンとなった。ベンチにはフロートがリーグ戦では初のメンバー入りとなった。

 

内容

立ち上がりからホームチームが押し込む。3分に昌子がペナルティエリア中央からシュートを放つも、ゴールの上に外れてしまう。直後はこぼれ球に反応したナ・サンホがペナルティエリア中央から左足で枠内にシュートを放つも、ブロックされる。押し込むゼルビアは9分に先制ゴールを奪う。クイックのスローインからペナルティエリア内の荒木へ。パスに反応したオ・セフンが右足でゴール左下に決める。12分にはレイソルが右サイドでFKを獲得。キッカーのサヴィオは近くの山田へ。ペナルティエリア手前からシュートを放つも、ゴールの上に外れてしまう。19分は左クロスに木下が飛び込むがわずかに合わず。25分はゼルビアのCKから反応した昌子がペナルティエリア中央からシュートを放つも、ゴールの上に外れてしまう。33分はレイソルの攻撃。ペナルティエリア内から川口がクロスを入れる。これに反応した木下がペナルティエリア中央からシュートを放つも、ゴール左に外れてしまう。前半は1-0でゼルビアがリードする。

 

後半もゼルビアがチャンスを作る。51分には仙頭がキックフェイントからシュートも枠を外れる。53分には荒木がシュート。55分はレイソルの山田が負傷し、島村が投入される。その後はレイソルがポゼッション率を高めるがゴールまでは迫れない展開。すると69分にゼルビアが追加点を奪う。右サイドのナ・サンホのシュートのこぼれ球に荒木が反応してゴールネットを揺らす。2点のビハインドとなったレイソルは3枚を同時投入。71分には島村の突破からサヴィオがシュート。78分には駆け上がった川口が枠内シュートもGK谷に防がれる。その後はゼルビアがうまく時間を消費して試合終了。2-0でゼルビアが完勝した。

スタッツ

基本スタッツ数多くのセットプレーからチャンスを作ったゼルビアが、シュート数11でレイソルの4本を大きく上回った。ポゼッション率はレイソルが56%と上回ったものの、シュートチャンスには持ち込めず攻撃は不発に終わった。運動量の面でもゼルビアが143回と上回って、効果的なスプリントを繰り返し、レイソルの攻撃を防いだことがわかる。

 

キーモーメント

ゼルビアの先制ゴールのシーン。古賀がサイドに出てボールをクリア。ゼルビアの鈴木は素早くスローインを始め、ペナルティーエリア深くの荒木へ。荒木はマイナスにいたオ・セフンへラストパス、冷静にゴールを決めた。

 

ゼルビアのクイックリスタートにレイソルは追いついていなかった。古賀とジエゴでマークがハッキリしていなかったし、ロングスローの準備もできていなかった。またボランチ含め中央の選手も対応が遅れてしまい、ゴールを決められてしまった。開始早々の時間帯を凌ぐことができなかったことが、この試合を難しくした要因となった。

MVP

ゼルビアの2トップであろう。まずオ・セフンは先制ゴールを決めただけでなく、立田を始めレイソルDF陣に競り勝ちロングボールをしっかりと収めて起点となっていた。ロングボールを主体とするサッカーを続けられるのは、彼の強さがあってこそである。

 

そして荒木駿太は見事に先発起用に応えて見せた。献身的な動きに加えセカンドボールを回収する役割を担った。後半には貴重なゴールを決めてチームに大きく貢献した。この2トップが素晴らしい活躍であったのは間違いない。

 

ほぼなにもできず完敗

レイソルは好調ゼルビアを相手に何もできずに敗戦を喫した。犬飼に代えて立田を起用したが、キーマンのオ・セフンに仕事をさせてしまった。また攻撃もうまくいかずシュート数はわずかに4本と、シーズン最悪の数字となった。

 

前半の悪い出来を見てハーフタイムで交代をするべきだったが、井原監督は動かなかった。負傷により島村を早い時間帯に投入したが、それだけでは流れを変えられず、後半半ばにようやく動いたがその直前に追加点を決められた。交代のタイミングではミスと言わざるを得ない。

 

これで上位争いへの道は厳しくなってしまった。下を向いている時間はなく、すぐに鹿島アントラーズ戦がやってくる。昨年苦しい中でも倒した相手に、今シーズンも勝利を収められるか。

 

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<マッチレビュー>J1第10節柏レイソルvsサガン鳥栖 2024年4月28日


4/28(日)にJ1の柏レイソルvsサガン鳥栖の試合が、三協フロンテア柏スタジアム(日立台)で開催された。試合は両チーム1点ずつ奪い合い1-1という結果に終わった。この試合を振り返る。

メンバー

両チームのスタメンはこちら。

サブ

柏レイソル

GK 31 守田

DF 22 野田

DF 50 立田

MF 28 戸嶋(←29島村、73分)

FW 9 武藤(←10サヴィオ、73分)

FW 15 木下(←14小屋松、63分) 

FW 45 山本(←34土屋、85分) 

 

サガン鳥栖

GK 1 アルナウ

DF 16 上夷(←34長澤、46分)

MF 14  藤田

MF 21 堀米(←23菊地、75分)*脳震盪の疑いによるもの

FW 11 アラウージョ(←22富樫、83分)

FW 13 横山(←28丸橋、67分)

FW 32 堺屋(←99ヒアン、67分) 

内容

立ち上がり最初のチャンスはレイソル。7分にサヴィオのパスに小屋松が抜け出してシュート。その後サガンがボールを握ると、14分に先制点が生まれる。FKからマルセロ・ヒアンがヘディングシュートを決めてアウェイのサガンがリードする。19分には菊地がシュートを放つが枠を外れる。レイソルは23分に島村がシュートもDFのブロックに遭う。25分には島村のスルーパスからサヴィオがチップキックでシュートも決められず。31分にはCKから古賀がシュート。そして40分に同点に追いつく。左サイドのサヴィオがグラウンダーのクロス。島村のシュートは一度防がれるも、自身で押し込み1-1の同点とする。そのまま前半は1-1で折り返す。

 

後半頭はサガンが上夷を投入し、流れを引き戻しにかかる。それでも48分にレイソルの土屋がCKから枠内シュート。これはGKパクが防ぐ。徐々にポゼッション率を上げるレイソルは60分にサヴィオがGKパクを強襲。さらに木下を投入し勢いをつける。66分にはFKから土屋がシュート。一方のサガンは横山を投入し攻撃の起点を作りにかかる。73分にはレイソルの武藤が枠内シュートもGKパクの正面。90分にはビッグチャンス。レイソルがカウンターを発動し、最後は白井がシュート。しかし枠には飛ばせず。両チームとも追加点を奪えず、試合は1-1で終了した。

スタッツ

基本スタッツシュート数はレイソルが圧倒し、18本もシュートを飛ばしたが1得点のみに留まった。シュートがGKパクを脅かすところまではなかなか至らず、今後はゴール前でのクオリティを上げていく必要がある。ボールポゼッション率や走行距離ではほぼ互角だったが、スプリント回数では133回とレイソルサガンを上回った。サガンは前半に効率良く1ゴール決めたが、後半は思うように攻め込むことはできなかった。

キーモーメント

90分のレイソルのカウンターのシーン。相手のミスからボールをカット、山本→武藤とつなぐ。武藤は木下をおとりに駆け上がった白井へパス。白井はペナルティーエリア手前からミドルシュートを放ったが、枠を捉えることはできなかった。

 

この場面では数的優位を作り出すことに成功し、白井にはフリーの木下へパスという選択肢があった。しかしスプリントした後だったので最後はシュートを選択、勝ち越しゴールを奪うことはできなかった。このシーンで仕留められれば勝利は確実だったので、悔しまれる場面である。

MVP

J1初ゴールを決めた島村を挙げたい。新加入ながらも既にレイソルの新たな武器として活躍しているドリブラーは、J1初ゴールを決めて見せた。サヴィオが左サイドに流れると、タイミングよく中に侵入しクロスに合わせた。一度は防がれたものの、冷静にこぼれ球をプッシュした。

 

ルヴァンカップザスパ群馬戦ではスタメン出場、見事なアシストを残した島村は前半から存在感を発揮。サヴィオとのコンビで再三ゴールに迫った。大外に張るだけでなく、中央へポジションを取り狭い局面を打開するシーンも見られた。アシストだけでなくゴールも取れるようになると、ますます欠かせないプレイヤーとして進化するだろう。

課題がそのまま出た

2023シーズン後半戦から負けないチームとなっていることは確かだが、またも勝ち切ることはできずにリーグ戦での連勝を掴むことはできなかった。

 

チームの課題は主に2つ。まずセットプレーからの失点が多いこと。この日もFKから先制点を許しており、改善されない状況は依然として続いている。もう一つは追加点を奪えていないこと。2024シーズンのリーグ戦はすべて1得点のみに留まっており、引き分けの数がこれで5試合となった。

 

暑い中でも多くのサポーターが駆けつけた一戦、勝利を手にするチャンスはあったが引き分けに終わった。今後は連戦が続き、このハードスケジュールがプレー面に影響してくる。勝ち切るために井原監督がどうチームマネジメントするかに注目したい。

 

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