8/25に千葉県柏市は、株式会社ZIAIが提携し日本初/AIで行政の悩み相談を解決するサービスの、実証実験を開始すると発表した。ここでは柏市民に直結するこの取り組みについて、まとめていくことにする。
実施概要
柏市役所のホームページに公開された実施概要は、以下の通り。
現在、市におけるメンタルヘルス相談は、窓口での対面相談または電話相談により実施されています。
本実証実験においては、公認心理士監修のカウンセリングAIを利用し、パソコン・タブレット・スマートフォンのどの端末からもメンタルヘルスに関する様々な相談を受けることができる、AI技術を用いた自動応答によるチャット形式での相談窓口を開設いたしました。
以下のページより抜粋
期間は8/22~11/21までとなっており、この実証結果次第では本格導入も検討されるだろう。
サービス用ホームページ
背景
株式会社ZIAIによれば、2023年5月、約2週間にわたり悩み相談AIチャットのテスト版を公開したところ、全国の10〜50代のユーザー約300名から、「話を聞いてもらえて心が楽になった」、「AIだと最初に言われなければわからない」というコメントやリピーターを多数確認。
実施後のユーザーアンケートでも、公認心理士による相談で得た「ユーザー満足度」と同等のスコアを記録したことから、「悩み相談」としては十分に役割を果たすことができると判断し、今回の実証実験に至ったという。
また今後の展望としては市民の悩みに関するデータを分析し、悩み相談AIチャットだけでなく、相談者が抱える具体的な課題の解決まで導けるよう、柏市民にあった支援機関と連携する仕組みを整えていく予定だ。
PR TIMESホームページより
全国自治体のモデルとなるか
新型コロナウイルスにより人々のメンタルヘルスの重要性が今まで以上に浮き彫りになった。しかしその悩み相談に対応できる十分な人材の確保は難しく、民間サービスではこのようなAIサービスがいち早く普及されてきている。
今回は自治体として初の取り組みとなることから、より多くの人々に認知され利用されるかが焦点になると考えられる。特に60代以上の年配の方々に訴求できるかは、まだ未知数の点だ。
筆者にも市役所で勤務する知人がいるが、話を聞く限り業務は多岐にわたりすぎてひっ迫している現状がある。今後役所など公的機関でのDX(デジタルトランスフォーメーション)化がより一層推進される中で、柏市のケースがほかの自治体のモデルになるかに注目したい。
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