4/15(土)にアルビレックス新潟は、好調アビスパ福岡をホームに迎えた。前半2点のリードを許したアルビレックス新潟だったが、後半に伊藤涼太郎がハットトリックの大活躍で、3-2の劇的勝利を収めた。その伊藤涼太郎について、詳細を述べていく。
圧巻のパフォーマンス
堅守のアビスパ福岡相手に、前半はほとんどチャンスを作れなかった。しかし伊藤を中心に、アルビレックスは反撃を開始。まずは後半早々の47分、角度が難しい位置から、ニアサイドへ伊藤が直接FKを叩きこむ。
その後はアルビレックスらしくボールを握り、ゴールに襲い掛かったが、なかなか同点弾を決められない。時間は刻々と過ぎ去り、アディショナルタイムに突入した。
この時間帯で、またも伊藤が輝きを放った。93分は味方とワンツーし、バイタルエリアからシュート。これがネットを突き刺し、ついに同点に追いつく。
なおも攻めるアルビレックスは、右サイドを攻略した松田がクロス。こぼれ球に反応したのは、三度伊藤だった。ダイレクトで右足を振りぬき、試合を決める3点目を決めた。終了間際のハットトリック達成に劇的な逆転勝利、デンカビックスワンスタジアムのサポーターは大いに揺れた。
/#伊藤涼太郎 三度輝く✨✨✨
— アルビレックス新潟 (@albirex_pr) 2023年4月15日
\#松田詠太郎 選手が右サイドを突破して中央に折り返す。こぼれたボールは今日のヒーローの足元へ…。
最高のドラマとなった90分⏱️
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この試合に限らず、2023シーズン序盤から高いパフォーマンスでチームをけん引している。4/10時点のデータで、ラストパス20本でリーグ2位のチャンスクリエイト数を誇る。
引用資料
リーグサマリー:2023 J1 ラストパス 選手ランキング | データによってサッカーはもっと輝く | Football LAB
テクニカルなプレースタイルは現代では希少
かつてはバッジョやジダン、ロナウジーニョら世界的なテクニシャンが、サッカーを見るものすべてを虜にした。筆者自身もロナウジーニョのプレーを何度も見て真似ていたものだ。
しかし現代では強度が高くなり、ボールを持つ時間が短くなっている。そのためシンプルなプレーやゴールに直線的なプレーが格段に増えた。これにより、ボールを巧みに扱うマジシャン的なプレイヤーは活躍しにくく、希少な時代になってしまった。
そんな中でも、伊藤涼太郎はテクニカルなプレーで見せ続けている。アウトサイドを使ったターンで相手DFの逆を取る。軸足を巧みに使い、シュートまで持っていく。GKと1vs1になればループで相手の意表を突く。
上記すべてのプレーに共通するのは、相手の想像を超えていることだ。それを可能にするテクニックを持ち合わせたプレイヤーは、Jリーグ全体でも伊藤が群を抜いている。またアイディアが豊富で瞬時に多彩なプレーをしてくるので、DFは動きを読めないだろう。
苦労を重ねいよいよ飛躍するとき
高校時代はセレッソ大阪のU-18に上がれず、作陽高校へ。そこで持ち前のテクニックをさらに磨き、強豪の浦和レッズに入団。しかし出場機会はほとんどなく、大分トリニータや水戸ホーリーホックへレンタル移籍した。
2022年はついに浦和レッズを離れ、アルビレックス新潟に完全移籍で加入。松橋監督のもと、パスサッカーを軸にしたアルビレックスの水に早くも溶け込み、中心プレイヤーとしてJ2優勝に大きく貢献した。
そして帰ってきたJ1の舞台。ここまでは強豪相手にも圧巻のパフォーマンスを発揮しており、チームも8位と好調だ。J2で身につけた自信が、今の好調につながっている。
25歳の希少なテクニシャンが、いつ日本代表に呼ばれてもおかしくはない。このハットトリック達成を機に、誰にも止められないファンタジスタへと変貌する。
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