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柏レイソルの経営情報から読み取れること

2022年度の柏レイソルの経営情報が、Jリーグ公式ホームページにて公開された。レイソルは他のクラブとは決算の時期が異なり、3月決算のため遅れての公表となった。ここではこの経営情報から読み取れることについてまとめていく。

公表された数値

公表された2022年度(2022年4月〜2023年3月)の数値は、以下のリンクから閲覧できる。

柏レイソルの経営情報 | Jクラブ経営情報ポータル

 

コロナ禍を経て入場制限が緩和され、おおよそどの数値も2021年度より伸びている。しかし残念ながら債務超過となっており、クラブは2025年までにこの問題をクリアしなければいけない。

 

人件費=スポンサー収入

レイソルの経営面での特徴を見ていく。まず収入源の大きな割合を占めているのは、スポンサー収入だ。そしてその中でも株式会社日立製作所およびそのグループ会社からの金額が大きい。15,000人と小さなスタジアム、レイソルの前身が日立サッカー部ということを考えれば当然のことである。

 

ではこの収入源はどこに使われているのか。それは人件費である。選手・スタッフに支払う金額は、J1クラブの中でも上位だ。この傾向は近年ずっと続いており、2020年得点王となったオルンガを筆頭とする外国籍選手の獲得にも影響している。

 

そして2022年度に限って言えば、この2つの金額はほぼイコールであった。7位という結果で終わった2022シーズンについて、クラブ史上最高額の約32億を費やしての妥当な結果だったのかは、疑問符が付くところだ。

 

その他収入はほぼ移籍金

収入面で大きく伸ばしたのは、「その他収入」の項目である。その内訳は

①賞金
②移籍金収入
サプライヤー契約収入
④ファンクラブ・後援会収入
⑤イベント出演料

Jリーグクラブ経営ガイド2022

https://aboutj.jleague.jp/corporate//wp-content/themes/j_corp/assets/pdf/Jleague_club_guide2022.pdf

 

柏レイソルのこの数字に大きく貢献したのは、選手放出時の移籍金収入である。

 

2022シーズンの移籍といえば、シーズン途中はキム・スンギュが、終了後は上島、大南、ペドロ・ハウル、ドッジらがレイソルを去った。その合計金額が7.2億であることから、それなりにレイソルに利益をもたらしたと評価できる。

 

しかしレイソルに限らずJリーグクラブは、この移籍金収入でもっと収益を上げなければいけない。野々村チェアマンもYouTubeチャンネルでこのことについて触れ、ヨーロッパとの価格差が大きいことはJリーグ全体の課題である、と話した。川崎フロンターレからブライトンへと羽ばたいた、三笘薫はその一例でもある。

 

今後どのように利益を出すのか

民間企業である以上、利益を出さなければならないが、レイソルは今後どのように出すのだろうか。

 

まずは地元企業へのスポンサー営業に力を入れるべきだ。2018年より三協フロンテアがスタジアムの命名権を獲得した。日立だけに頼るのではなく、柏市内の企業にも積極的にアプローチし応援してもらわなくてはならない。

 

また近年アカデミー育成に力を入れているレイソルは、Jリーグから最優秀育成クラブ賞を2年連続で受賞している。この点をプロモーションし、例えば試合会場の人工芝グラウンド名にもスポンサーの企業名を入れるなど、活かせる強みをよりアピールし共感してもらう必要がある。

 

そして日立台は私有地であることを生かし、試合日以外でも人々が訪れる施策が必要だろう。すでにフォトウェディングなど行っているが、スタジアムの稼働率を上げる工夫は、海外クラブを見ればより多くの事例がある。

 

今後経営面での工夫が必要になってくるため、4月から新しく就任した山崎社長に大いに期待したいところだ。

 

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