Jリーグは現在、2月に開幕し12月にシーズンを終えるスケジュールである。それを変更し、秋からスタートさせる「秋春制」移行については、今まで頻繁に議論されてきた。4/13(木)に、さらに議論を過熱させるような出来事があった。今回は独自アンケートで得たサポーターの意見を交えて、この問題を深堀したい。
とある記事が発端に
4/13に、突然出た記事の内容に、Jリーグ関係者は驚愕した。
Jリーグ26年までに秋春制移行へ ほぼ全てのクラブが同意、容認の姿勢 条件、環境まとまれば前倒しも(スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース
内容としては、おおむねのJクラブが秋春制の移行に同意、もしくは容認したため、2026年までに移行する、というものだ。
今まで雪国のクラブが反対を示していたので、ここでいきなり方向性が変わったことに周囲は驚いた。真冬での開催となれば、厳しい寒さと大雪の問題がまず挙がるが、これを解決するような方法はまだ見つかっていない。それにもかかわらず、なぜこのような記事が掲載されたのか、疑問の声は相次いだ。
各クラブの社長も、この記事について言及した。例えば鹿島アントラーズの小泉社長は、Twitterで以下のコメントをした。
過去から何度も議論してきて未だに何も決まっていないのにスポニチさんは何故このような記事を書かれたのか。
— 小泉 文明/Fumiaki Koizumi (@Koizumi) 2023年4月13日
朝から反響が大きく問い合わせが来てますが、この記事にあるような決まったことは何も無いです。
課題や論点が多く、建設的にもっと検討、議論すべきだと思っています。 https://t.co/pVLXbOgouP
小泉文明社長Twitter
同様に水戸ホーリーホックの小島社長もコメントを残した。
私にも朝からパートナー企業、ホームタウンの方から問い合わせが来ています。
— 小島 耕/ 水戸ホーリーホック (@KojimaKoh) 2023年4月13日
この問題に関しては今後まだまだ議論すべきことであり「ほぼ全クラブが同意、容認の姿勢」どころか判断材料の整理もこれからだという認識です。
決定事案のような記事が何故出るのでしょうか。 https://t.co/AJxzNp9QSL
小島耕社長Twitter
上記のように、Jクラブの社長たちもこの記事については疑問を抱いていることから、内容の信ぴょう性はかなり低いと思われる。
サポーターの意見
Jクラブのサポーターは、この秋春制移行についてどう思っているのか。筆者はTwitter上でアンケートを実施した。
【アンケート】
— 家から日立台へ。徒歩10分 (@gotohitachidai8) 2023年4月13日
Jリーグの秋春制移行について、賛成ですか?反対ですか?理由も教えていただけると幸いです。
結果、反対意見が6割を超えた。その中の意見をいくつかピックアップしたい。
東北、北信越、北海道は世界トップクラスの豪雪地帯。
移動すらままならない。試合延期続出して、結果過密日程になり選手の負担が増えるだけ。
豪雪地帯の皆さんが懸念されてることはもちろんのこと降雪期に太平洋側ホーム増やしたり試合できない雪国ホームゲームを国立で代用したとしてもサポーターは雪道を走らされる
日本の風土に合わない。
国情に合わすべき。正直寒い中ガマンしながら観たくない。
(25年間連続シーズンチケットホルダーです。雨でもカッパ着て観てました。寒くなければ可能)
一方の賛成派では、以下の意見があった。
夏場は選手のパフォーマンスが確実に下がる
冬なら欧米との移籍もスムーズになる
雪の問題は確かにあるけど、暑さよりは対策はありそう
年々雪は少なくなってきてるし確かにサポには冬の観戦はキツイけど、
夏場の選手はもっと辛い気がするあくまで選手目線の意見です
議論は続くだろう
サポーター目線だけでも様々な意見が飛び交っている、この問題は簡単に解決しないだろう。選手、スタッフ、企業、育成年代、地域住民と、あらゆるステークホルダーの理解がなければ難しいはずだ。
一方で上位クラブが参加する、ACLが秋春に移行することはすでに決定している。ヨーロッパのカレンダーに合わせることで、選手の移籍などがよりスムーズになるメリットもあるだろう。
だが日本は日本独自の問題を抱えているので、簡単にクリアするものではない。であれば既存の先行事例から、学びを得るべきだ。女子サッカーのWEリーグは、秋春制を採用している。まだ発足して間もないが、どんなメリットやデメリットがあるかは少しずつ把握できる。
Jリーグが秋春制に移行した際の、周囲への影響力は非常に大きい。これからも様々な議論を経て、最終決定に至ってほしいところだ。
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