10min+

このコンテンツでは、柏レイソルを中心に国内・海外サッカーの話題や、千葉県柏市の話題を取り上げる。

MENU

井原新監督のレイソル初陣から分かる変化とは

柏レイソルは監督交代を行い、ネルシーニョ監督から新監督として井原正巳を起用した。その初陣であるヴィッセル神戸戦では、ポジティブな内容もあり1-1の引き分けであった。ここでは新監督のもと、変化したことについて深堀したい。

 

 

変化①メンバー変更

週末のヴィッセル神戸戦では、前節からスタメンを複数変更した。まず右SBに川口、左SBに片山を起用し、パフォーマンスの波がある三丸をベンチに置いた。またダブルボランチは戸嶋と高嶺。椎橋はベンチになった。そして右サイドに山田康太を配置し、新しい戦術にトライした。

 

ベンチメンバーには、ドリブラーの18歳モハマドファルザン佐名を置いた。筆者はこれまでベンチにドリブラーを置かないことを疑問に感じていたが、井原監督はドリブラーのモハマドを選択した。これらはすべて以下の攻撃戦術を機能させるためでもある。

 

変化②攻撃時の配置

4-4-2のフォーメーションは、攻撃時に変化する。まず後ろは3バックを形成。片山を左、立田を右、真ん中に古賀という3人。そして右SBの川口は高い位置を取る。山田康太インサイドに入り、システムを3-4-2-1に変形させる。

 

これはサッカー界のトップを走るマンチェスターシティやバルセロナナポリなどで採用されるシステムだ。ポゼッションスタイルの最高峰の戦術を取り入れたレイソルは、この試合では首位相手にシュート数で圧倒し、あと少しで勝ち点3を掴むところまでであった。

 

変化③各選手の役割

ネルシーニョ監督と井原監督で、各選手の役割は変化した。

片山

彼は攻撃力がある素晴らしい選手だが、井原監督は守備重視のタスクを与えた。この日は武藤という代表レベルの選手がいたこともあり、このような変更をしたと思われる。

 

高嶺

椎橋より彼が優れている点は、中長距離のパスにある。それを活かすべく彼の相棒に戸嶋を起用し運動量で動き回る反面、高嶺はボールに積極的に関わりサイドへ展開することに専念した。実際サイドには何度も素晴らしいパスを通しており、そこからチャンスは作られている。

 

小屋松

井原監督は彼を左サイドに張らせ、ドリブルで仕掛けることを指示した。ネルシーニョ監督のもとではゲームメイクを担っていたが、それは他のプレイヤーに託している。スピードを生かした突破は開幕戦から随所に見せており、この試合でも開始早々に2人を抜き去りチャンスを演出した。

 

細谷

後半途中から右サイドにポジションを移した。サイドでの起用はこれまで何度かあったが、機能しないことがほとんどであった。しかしこの試合ではフロートとのコンビネーションを活かしたプレーで存在感を発揮。守備でもハードワークでチームを助け、新たなポジションでも輝けることを証明した。

 

変化④メンタル

試合後に井原監督はインタビューで以下のように語った。

今日の相手は首位の神戸ということで、非常にタレントの豊富なチームだと思うし、その相手に自分たちの今持っているものを全て全力でぶつけて、チャレンジャーな気持ちでゲームに入ろうという気持ちで臨んだ。いろんなゲームプランはあったが、そのプランを選手もしっかりと遂行してくれたし、まずアグレッシブに戦うところは90分間、試合に出た選手はみんな表現してくれたと思う

 

柏レイソル公式ホームページより抜粋

https://www.reysol.co.jp/game/results/2023/0520.php

 

ボールを持ち支配するという明確なコンセプトを持ち、そのためのチャレンジはどんどんしていくという姿勢を、チーム全体が見せてくれた。今シーズン序盤もネルシーニョ監督のもと、同じようなことにトライしたがブラジル人監督はそれをすぐ止めてしまった。今回はそのチャレンジを継続し、勝利につなげるビジョンを全員が描けている。

 

変化⑤挨拶

試合終了後のサポーターへのあいさつ回りのことである。井原監督は選手とスタッフと一緒に、サポーターへ挨拶した。ネルシーニョ監督ではなかったことである。

 

もちろん意図があってそれぞれアクションを行っているだろうが、井原監督はサポーターとの距離をより近づけようと試みている。そういった姿勢もあり、日立台のサポーターも前向きな言葉をかけていた。

 

巻き返しを図れるか

井原監督はアビスパ福岡時代に監督をした経験を持つが、主にコーチを担った期間が長い。そのためレイソルサポーターから不安の声も多少あった。

 

しかしこのゲームで希望を見せてくれた。勝利できなかったことは残念だが、首位相手に内容では圧倒できたことは、今後に向けてポジティブである。

 

レイソルが本来いるべき場所、そして当初の目標である勝ち点60に向け、井原監督は様々な変化を起こした。ここから反撃ののろしを上げられるか、期待していきたい。

 

関連記事はこちら

 

gotohitachidai8.hatenablog.com