2023シーズンのJ1リーグは第17節を終了した。いくつか未消化の試合があるものの、柏レイソルは17戦を戦い2勝6分9敗の最下位で折り返した。大型補強を行い、攻撃的なサッカーで勝ち点60をマストとしたにもかかわらず、不甲斐ない結果で前半戦は終わってしまった。ここでは2023シーズン折り返し時点の、柏レイソルの全選手の評価と採点を行っていきたい。
選手採点
GK
ピックアップ
・松本健太
第7節のアントラーズ戦でスタメンに抜擢され、公式戦19試合ぶりの勝利に貢献した。その後スタメンの座を確保し、キャリアを花開かせている。ビッグセーブを見せることに加え、正確なロングキックで攻撃の起点にもなれる現代的なGKだ。
DF
ピックアップ
・立田悠悟
清水エスパルスから加入した長身のセンターバックは、安定感に欠けるプレーが多いため厳しい点数をつけた。開幕時から失点に直結するミスが散見され、直近のマリノス戦ではPK献上に退場と不甲斐ないパフォーマンスとなった。しかし彼の気迫あるディフェンスや状況を打開するロングパスは魅了的である。立田のプレー改善に期待したい。
・土屋巧
本職はボランチでありながらも、2023シーズンはDFラインを任される。第5節のサンフレッチェ戦で3CBの中央でスタメンに抜擢されると、果敢なバトルを挑みチームを後方から支えた。その後数試合はスタメンで出場したが、ケガをしてしまったことで立田にポジションを再度譲ってしまった。今後の成長次第では一気にスタメン定着もありうる。
・片山瑛一
2023シーズンの補強で一番の当たりと言える。開幕戦で見事なシュートを決めると、両サイドバックで安定したディフェンスを披露した。井原新体制では攻撃時に3バックのサイドを任されるが、このポジションでも全く問題ない。ゆえにDFラインでは最高の評価点をつけた。
MF
ピックアップ
・高嶺朋樹
椎橋とのポジション争いが開幕時から勃発し、ネルシーニョ前監督のときはスタメンの回数は思ったより伸びなかった。しかし監督交代後はスタメンの座を手に入れ、攻守の要としてチームをけん引している。特に左足から繰り出される正確かつ早いミドルパスは今のレイソルには不可欠だ。
・山田康太
開幕時から4-3-3のインサイドハーフでスタメン出場していたが、システムの変更により出場機会を減らしてしまった。それでもルヴァンカップなどでは気持ちのこもったプレーと華麗なテクニックを存分に披露しており、後半戦は結果を残したいところである。サヴィオとの相性は抜群なため、2シャドーで二人を置いてみるのも面白いはずだ。
FW
ピックアップ
・細谷真大
レイソルのエースとして2023シーズンはここまで7ゴールを記録している。フィジカルとスピードはJリーグの中でもトップクラスで、特に第11節ベルマーレ戦で見せたゴールは細谷の魅力が存分に発揮された。夏に海外移籍してもおかしくないが、苦しいレイソルを救う存在として後半戦もゴール量産を期待したい。
・フロート
ヨーロッパからやってきた巨人はまずまずの結果を残している。ルヴァンカップのアビスパ戦では2ゴール、直近のマリノス戦ではヘディングシュートを決めた。加入当初よりコンディションは上向いており、日本の水にも慣れ始めている。彼の爆発がレイソルの浮上のきっかけになるはず、ここから本領発揮といきたい。
・山本桜大
ルーキーながら開幕時から出場機会を得たドリブラー。ネルシーニョ前監督ではそのポテンシャルを買われ、リーグ戦の後半途中出場を続けたが、最近はメンバー外が続いている。それでも天皇杯2回戦で得意のドリブルからPKを獲得、プロ初ゴールを手にした。若手プレイヤーの中でもチャンスを得ている19歳は、後半戦も試合に絡んでいきたいところだ。
夏の補強ポイント
まずはDFラインである。センターバックの主力3名を放出した影響が大きく、失点が止まらない。ジエゴは開幕から長期離脱中、4月にブエノを獲得したが彼も長期離脱となってしまった。大学3年生の関根、桒田の加入内定を発表したが、やはり即戦力のプレイヤーが必要だ。またサイドバックに関しても、片山以外はパフォーマンスに波がある。センターバックとサイドバックを1名ずつ補強するべきだ。
またドリブラーの選手の獲得も必要だろう。小屋松に代わるゲームチェンジャーが必要であり、ユース出身の若手選手の成長に期待したいが、チーム状況を考えるとやはり1名は欲しいところ。FW陣では細谷が移籍した場合、徳島ヴォルティスへ現在レンタル中で大活躍の森海渡を呼び戻すか、はたまたレンタルで1名獲得することになるだろう。
後半戦に輝くのは誰か
ルヴァンカップを挟んでリーグ再開後は、負けられない戦いが続く。初戦のアルビレックス戦を始め、勝ち点が近いチームとの試合が続く。もしここで勝ち点を積めなければ、降格が現実味を帯びてくる。
前半戦はパフォーマンスの善し悪しがハッキリと分かれていた印象だ。良くなかった選手の巻き返しは必須である。また個人的にはドリブラーである升掛、山本、ファルザンの誰かが覚醒することを期待している。井原新体制になってから個の力で打開するシーンは数多くなり、彼らの特徴を発揮できる環境は整いつつある。
まずは今週末ルヴァンカップのアビスパ戦、消化試合とはいえ控え組がアピール次第ではリーグ後半戦のキーマンに成りうるだろう。
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