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相次ぐ主力の海外移籍から見える近年の傾向

6/29(木)に、湘南ベルマーレ町野修斗が、ドイツ2部のホルシュタインキールへの完全移籍することが発表された。契約期間は4年間である。2022-23シーズンを終え移籍マーケットが本格化したヨーロッパチームの、ここ最近のJリーガー獲得について述べることにする。

 

 

2023年の夏の動向

6/29(木)時点で、Jクラブからヨーロッパへの移籍が決定した選手は以下の通り。

伊藤涼太郎 アルビレックス新潟→シントトロイデン(ベルギー)

アルビレックスのエースは海外移籍を決断した。J2優勝の立役者であり、2023シーズンのJ1でも存在感を発揮。7ゴールの活躍を見せたことで移籍は加速した。いくつかのオファーが届いたようだが、日本人が親しみやすいベルギークラブへの完全移籍を選択した。アルビレックスとしては2022シーズンの本間至恩に続き2人目のベルギー移籍となった。

 

小川諒也 FC東京→シントトロイデン(ベルギー)

ポルトガルヴィトーリアで飛躍を狙った左サイドバックは、出場機会をほとんど得られずに帰国となった。しかしヨーロッパでの活躍を諦めていない小川は、シントトロイデンへのレンタル移籍を決断した。人材難である日本代表の左サイドバックの座を掴むため、再スタートを切った。

 

小川航基 横浜FCNECナインメン(オランダ) *6/28(水)にオファーを受け調整中との発表

横浜FCの絶対的なストライカーは、オランダへの移籍を目前にしている。2022シーズンのJ2で26ゴールを記録し、得点王とMVPを獲得。J1で苦しむチームでも結果を残し、チームからの離脱が正式に発表された。ジュビロ磐田ではなかなか花開かなかったストライカーは、いよいよ真の姿を海外で見せる。

 

町野修斗 湘南ベルマーレホルシュタインキール(ドイツ2部)

カタールワールドカップに滑り込みで代表に選出されたが、試合に出場することはなかった。あれから6か月経ち、ベルマーレのエースとして8ゴールを記録。しかしチームはなかなか勝利することができず、現時点では最下位となっている。そんな中発表された、ドイツへの完全移籍はベルマーレのサポーターであれば複雑な心境だ。それでも次のワールドカップでエースとなるため、自身の成長を求めドイツへ旅立つ。

 

その他オファーが提示されたとの報道が出た選手は以下である。

山本理仁 ガンバ大阪→シントトロイデン(ベルギー)

半田陸 ガンバ大阪→ハーツ(スコットランド)

 

第2グループからのオファーが多くみられる

ヨーロッパの5大リーグへの移籍は、ここ近年は難しくなってきているのかもしれない。一昔前であれば香川のドルトムント移籍を代表されるように、Jリーグからメジャーなクラブへの移籍も見られた。

 

しかし近年ではベルギーやオランダ、ポルトガルスコットランドへの移籍が目立つ。5大リーグと比べて一つ下の、第2グループのリーグからのオファーが多いに違いない。もちろんここからヨーロッパチャンピオンズリーグへ出場することは可能だが、どちらかと言うとステップアップの場の意味合いが大きい。

 

そして5大リーグの中でもトップはイングランドプレミアリーグだ。資金面では他を圧倒しており、どんな選手でも目指す最高峰のリーグである。そこを目指すためにもJリーグからまずはヨーロッパの市場に乗るため、このような状況が生まれている。

 

プレミアリーグでの活躍が必須

この状況はJリーグにとっては思わしくないはずだ。チームのエースが若くして移籍し、かつクラブに入ってくる金額もそこまで大きくはない。となればチームの事情はますます苦しくなる。

 

こういった状況は、プレミアリーグで活躍する日本人選手がより価値を見せていく必要があるだろう。2022-23シーズンは三笘がその価値を存分に見せつけ、市場価値は川崎フロンターレ時代とは桁違いになった。冨安もレギュラーポジションから外れたものの、一定のパフォーマンスを出した。

 

そしてこの夏、トッテナムに元マリノスのポステコグルー監督が就任した。このニュースは間違いなくJリーガーにとっては追い風である。古橋や旗手といったセルティックのプレイヤーは引き抜かれる可能性がある。

 

2023-24シーズンは何人の日本人がプレミアリーグでプレーするだろうか。その彼らのパフォーマンス次第では、今後Jリーグがより価値のあるリーグとなりうる。そして日本が世界と対等に戦うための環境づくりが、今以上に進んでいくはずだ。その先に北中米ワールドカップでのベスト8進出、そして優勝があると筆者は考えている。

 

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