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マドリードダービーでの両監督の狙いを深掘り

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日本時間の9/25(月)に、スペインのラ・リーガ第6節アトレティコvsレアル・マドリードマドリードダービーが開催された。ホームのアトレティコが3-1でレアルを破った試合となったが、両監督の巧妙な策略が見て取れたので深く掘り下げていく。

 

4-3-1-2をベースにするレアル

ベンゼマが退団した銀河系軍団は、絶対的なストライカー不在のまま23-24シーズンに突入した。そこでアンチェロッティ監督は、新戦力ベリンガムをトップ下に据えた4-3-1-2をメインのフォーメーションにすることを決意した。

 

するとベリンガムは開幕からゴールを量産し早くもチームの得点源となっている。またヴィニシウスとロドリゴの2トップも、幅広く動き回り相手DFをかく乱させる。ウインガーがいないためサイドバックは高い位置を取るようになり、攻撃時の厚みはすさまじさを見せる。開幕5連勝は世間を驚かせたが、新たな形ですでに歯車がうまくかみ合っている。

 

このダービーではヴィニシウス不在のため、4-3-2-1を採用した。(アンチェロッティ監督は4-3-1-2と話したが)ミッドウィークの欧州チャンピオンズリーグでもこのシステムを採用し、勝利を手にしている。2シャドーにはモドリッチとベリンガム、最前線はロドリゴが務める。

 

一方のアトレティコシメオネ独自の堅守速攻スタイルを武器に、しぶとく勝利を目指す。けが明けのコケをスタメンに起用し、最前線はグリーズマンとモラタが務める。

 

両監督の思惑と狙い

明確な弱点を突いたアトレティコ

アトレティコはこの試合でレアルの弱点を再三突いて見せた。まずは開始4分、左サイドのリノにボールが渡るとインスイングのクロス。そこにモラタが合わせてホームチームが先制点を奪う。レアルは意表を突かれた格好になったが、ボールを支配し押し込む展開を作る。しかし追加点はアトレティコに入る。またも左サイドを起点にサウールがクロスを上げる。そしてグリーズマンがフリーでヘディングシュートを叩きこみ2-0。前半18分までで素晴らしいヘディングシュートを2つ決めた。

2ゴール目のシーン

 

レアルの弱点はサイドバックの守備にある。まずシステムの違いにより、ウイングバックへのアプローチが遠くなるためボールホルダーへの制限をかけることが難しい。だからといって早めにマークに出て行ってしまうと、その背後のスペースを空けてしまう。また攻撃時は両サイドバックが高い位置を取り、代わりにインサイドハーフの選手がそのポジションに下りてくる。左はクロースがその役割を担ったが、守備に切り替わった瞬間彼のポジションが穴となる。スプリントをかけられた際には相手右サイドのモリーナを完全にフリーにし、あわやのシーンを作られた。

 

狙いの攻撃がはまったレアル

2点先行しシステムを5-4-1にしたシメオネ監督。しかしレアルの攻撃も黙ってはいない。35分右サイドを攻略しセンタリング、こぼれ球にクロースが反応し見事なミドルシュートを突き刺す。得点後はアンチェロッティ監督が守備時の立ち位置を修正。カマヴィンガとクロースの場所を入れ替える。するとカマヴィンガは身体能力を活かした守備で今までの綻びを修正して見せた。

 

この試合でアンチェロッティ監督が仕込んだ攻撃は、インサイドハーフとSBの2人で相手のWBを攻撃するパターンである。事実ゴールシーンはバルベルデがLバスケスをオーバーラップしたことで生まれた。左サイドは目立たなかったが、右サイドはこの形を常に狙っていたはずだ。またミドルシュートを果敢に狙うことも指示していたと思われる。立ち上がりから3本ほど浴びせていたことからも、それは伺えたし最終的にゴールにつながった。

 

3度目のヘディングシュート

前半は2-1で折り返す。後半頭からレアルはホセルを投入したが、サイドバックにテコ入れはなかった。すると3回目のヘディングシュートをアトレティコに決められてしまう。後半開始直後の46分に左サイドを攻略しサウールがクロス。モラタが頭で叩き込んだ。2点目と同じ光景に、アラバはカマヴィンガに激怒した。しかしリプレイで見るとモラタの動きが巧みだったことが分かるので、ほかのプレイヤーのせいとは言い難い。

 

後がないレアルは55分に3枚替えを敢行、ようやくSBを変えることにしたが手遅れだった。68分にはBディアス投入し、4-2-3-1へと変更するもゴールを奪うことができない。アトレティコロドリゴ対策でアスピリクエタを投入すると、経験豊富なディフェンスで見事にシャットアウト。その後攻め立てられるシーンはあったものの、守護神オブラクを筆頭に守り抜き、試合は終了。3-1でアトレティコが伝統のダービーを勝利した。

 

諸刃の剣となったSBとクロス対応

主にレアル側の視点で深堀してきたが、アトレティコが秀逸に弱点を突いたゲームだったと言える。両SBは守備よりも攻撃に特徴がある選手なので、WBが徹底してそこを突く。そしてクロスは必ずリュディガーを外す。見事に3ゴールも奪うことになった理由が、よくわかる内容であった。

 

一方アンチェロッティ監督はこれをどう受け止めるか。試合後は自分に責任があると話したが、「守備が貧弱だった」とディフェンス陣に対し痛烈なコメントも残している。今のマドリーにおいてSBは肝となっており、あまりにも負担が大きい。今後改善策を見つけるのかが、王座奪還への宿題となるだろう。

 

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