9/30(土)に行われたJ1北海道コンサドーレ札幌vs柏レイソルの試合を、HUBで観戦した際のエピソードを綴る。
この日は都内のHUBで大学時代の友人と観戦することにしていた。現地観戦を検討していたが、計画は頓挫してしまったためだ。場所は駅からすぐ近くにあるが、意外と素通りする所であった。
コンサドーレサポーターが集結する場とあって、筆者としては完全アウェイである。店員はもちろん、客の多くもコンサドーレのユニフォームを着ていた。
入り口から2番目の席に座り、昼からアルコールを飲みながらDAZN観戦を始めた。
「マジでコンサ勝てないわ。」
コンササポの1人とレイソルサポ2人の会話は始まった。
日立台でのこのカードは4-5という乱打戦の末、コンサドーレが勝利した。その時はこのメンバーで現地観戦をしている。
「あの試合エンタメとしては最高だったけどな。」
これが率直な感想であった。
試合は始まった。レイソルがハイプレスを仕掛けてチャンスを作る。周りのコンササポもレイソルの戦い方について言及していた。
「細谷のスピードが1番怖いわ。」
その通り。そしてこの試合でも後ほどこの言葉通りとなる。
5分過ぎたあたりで、1人の若い男性が入店した。席は筆者らの隣に座った。ユニフォームを着ていなかったが、どちらかのサポーターかと思った。
しばらくしてレイソルが細谷のゴールで先制点を奪う。店内からは大きなため息が漏れた。
「コンサドーレサポーターですか?」
隣の男性がこちらに話しかけてきた。
「自分はそうですけど、この2人はレイソルです。」
「ああ、そうなんですね〜」
「コンサドーレですか?」
「いや、自分は新潟なんです。」
彼はアルビレックスサポであった。
「三戸のシュートエグかったですね。」
「あれはマジヤバかったっす。」
「現地観戦してたんですか?」
「はい、していました。最高でしたね。」
この日の前日には川崎フロンターレvsアルビレックス新潟の試合が等々力で行われていた。2-3でアルビレックスが勝利を収めていた。
そしてレイソルがまたも細谷のゴールで2点目を奪う。またも店内からはため息が漏れていた。
「細谷、海外行きますね〜。」
「まあいずれは行きますね、多分。」
「どこの国が合いますかね。」
「んー、ドイツとかは良いと思いますけどね。」
このような感じで細谷について語った。
前半終了し、0-2で後半がスタート。開始早々にコンサドーレが1点を返す。
「ヨォォォシィィ!!」
店内は活気を取り戻した。その後もコンサドーレが押し込む展開。イケイケムードとなった。
「ベンチにトゥチッチしかいないじゃん。」
レイソルサポの友人がボソッと言った。この日のコンサドーレは怪我人と出場停止で人がいない。
試合は終盤に差し掛かる。すると片山のクリアが手に当たった。コンサドーレ側は一斉にハンドを主張するも、VAR介入もなくノーハンドの判定。もちろんHUBの店内も同様の声が飛ぶ。
「それはないだろう!」
「これ取らないならどれがハンドなんだ!」
筆者もハンドと思ったが、後に確認するとこの判定は正しかった。
「VARは入らないんですね〜。」
新潟サポの男性が言う。
「そういやウチと新潟の試合で、VARなかったですよね。」
「それ、ありましたね。あれ観に行ったんですか?」
「ビッグスワン行きましたよ。もしVARあったら、新潟にPKのシーンがあったので、ラッキーでした。」
ゴールデンウィークのアルビレックスvsレイソルの試合。当日になってVARの手配がされていないことが判明し、試合はVARなしで開催された。結果は0-0だった。
コンサドーレは最後まで攻めたが、レイソルが逃げ切り1-2で試合終了した。店内にため息が充満した。
「レイソルは残留確定っすね。」
そう言って男性は店を後にした。
サッカーというのは強力なコミュニケーションツールである。初対面の人とでも、共通の話題があればすぐに打ち解けられるのは大学で学んだが、サッカーはメジャースポーツのため使い勝手が良い。
このHUBになぜ新潟サポが来たのかは不明だが、同じサッカー好きであることは間違いない。応援しているチームは違えど、サッカーファミリーという括りでは同じである。このような瞬間があると、サッカーに出会えてよかったとつくづく思うのである。
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