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【柏市】ビールは苦手だった店主がクラフトビールのお店を開くまで

南柏駅の西口すぐにある、2階のクラフトビール屋つむぎ。2022年にオープンし、今年2023年は柏レイソルのアソシエイツ提携店となった。今回はクラフトビール専門店について、またビールが苦手だった店主のストーリーについて、記事にしていく。

 

概要

・店名

2階のクラフトビール屋つむぎ

 

・営業時間

平日:15時~22時(金曜日は23時まで)

土曜日:15時~23時

日曜日と祝日:15時~21時

定休日:月曜日

 

・アクセス

JR南柏駅西口より徒歩1分

 

・URL

www.tsumugi-craftbeer-minamikashiwa.com

店舗の詳細

お店は駅を出て左手、階段を上ったところにある。階段下には小さな目印があり「クラフトビール」と書かれている。

階段を上ると、木目調の外観に赤いのれん、店内の様子がわかる入口がある。写真には写っていないが普段のぼりも立てており、おしゃれな雰囲気を感じる。

店内は木を使った明るい空間となっている。カウンター席がコの字型に並んでおり、10人ほどの席が用意されている。奥ではスタッフと会話ができるような造りになっているので、1人で来ても楽しめる。

また左手にはスクリーンが常設されており、レイソルの試合を流すこともある。帰り際には全国各地から取り寄せた、ご当地ビールを販売しており帰宅後も楽しんでもらえる工夫がなされている。

ご厚意で一杯いただくことになった。へレスという名前のクラフトビール静岡県産で苦味は一切なく、優しい口触りである。お酒であることを忘れさせ、会話が弾む原動力になってくれるビールだった。

インタビュー

Q.店主のこれまでは?

野球部だった学生の時に初めてビール飲んだ。当時は体育会系の典型的な縦の社会で、下級生はコールに合わせて飲むということがあった。とにかくその時の体験が苦手で、気持ち悪くなるし、お腹いっぱいになってもう入らないのに、無理やり飲み込むようなことをずっとしていた。

 

社会人になって広告代理店に就職。そこでも同様のカルチャーの中で育ってきたので、ビールはどっちかっていうと、すごい苦手だった。ハイボールや焼酎とかは飲んでいた。

 

広告代理店を辞めるタイミングで、有休使ってロンドンに行ってみたいなと思って、たまたま行った先で飲んだビールが自分には結構フィットした。アルコール度数も4%ぐらいで、多分お茶感覚で飲めることに衝撃を覚えた。

 

1週間くらいロンドンで旅行先に滞在して、帰国してからああいうのって日本で飲めないのかなと思って、探し始めたのが 2005年のこと。飲んだのが地ビールっていうのを知り、お土産のことじゃないんだ、そういう世界のビールなんだ、みたいなのを調べる過程で知って。

 

(本を取り出して)ちょうど当時買った本がここにある。ああいうビールってなんて言うんだろうと思って。このビール入門ってやつを買った。地ビールもいいけど、クラフトビールはもっといいって書いてあって、初めてその言葉を知った。クラフトビールっていう言葉自体はまだ定着してない時代だった。

 

Q.クラフトビールのお店を実現するまで

元々なんかバーみたいなことはやりたいというのはあったが、まあ単純に憧れだった。カクテルに対する知識とかは、そんな情熱持って覚えるつもりもなかったし。ロンドンに行ってパブを知ってから、一時期は有名チェーン店への転職も考えた。

 

今45歳だが、例えば65歳が定年だとするとい45歳ってちょうど半分。会社員をやってきて、残りどうするかを考えてみた。これは多分40代あるあるだと思うが。(笑)

 

自分は会社員として広告代理店から社会人生活スタートして1回転職をして、人材会社に勤めた。どちらでも朝早くから深夜まで働くってことを経験して、残り半分はなんかちょっと違ったことやっても、人生面白いんじゃないかって。

 

あと、たまたま親友が急逝するという事件。何も健康診断とかで引っかからなかったらしいんだけれども、突如として、そういうことが起きてしまったっていうことを踏まえて、 あ、40代も半ばまでくると、人生80年とか100年って言われてるけど、 ちょっとその保証もない。なんなら、今が1番若いっていう状態だから、やりたいことを勝負してやるっていうのも悪くないかもっていうのを思い始めた。

 

そういう思いが積み重なってって、最後は家族ともずっと話し合って、決断をした。

 

Q.コロナ禍で大変だったこと、工夫したこと

まず、そのコロナ禍なのに、なんで開業したのってよく言われる。こればっかりは物件がたまたまここ見つかったことが大きい。実はあのレイソルロードを出店候補地にして、真剣に考えて、申込書も書いて提出の手前まで行った。

 

しかしレイソルの試合はまだ5000人規模でしか開催されておらず、平日に至っては全然人通りがない。これは厳しいかもなと思って断念し、他も当たったがなかなかいい物件も見つからない。

 

そんな中で1番駅から近くて、わりかし家賃も安かったというので、ここに踏み切った。コロナ禍とはいえ、リスクを小さくした形でできる場所が見つかったのが幸いだった。

 

集客はやっぱりすごく苦労した。1年経ってそれなりにご贔屓いただけるお客様の数も増えて。昨年よりは増えた感じはあるが、まだまだその集客は僕にとっては課題で。

 

色々試行錯誤してる感じで、SNSとポスティングやって、周辺の住民の方に告知をした。幸いにも最初の頃はインスタグラムを見てきました、というお客様が結構いて、最初の2ヶ月とか3ヶ月はなんとかお客さんが来ていただけた。

 

ご覧の通り、もうすごく目立ちづらい場所にあるので、徐々にお店の入口とか、ビール屋さんがあることを気づいてもらえるように変化させていったり、下に看板を出したりっていう工夫をしていった。

 

Q.レイソルと提携した理由は?

1年経ったなかで、やっぱり地元のお客さんがよく来てくれる。ちょっと離れた北小金とかから来られる方もいる。そういう人たちと話をしてると、すごく柏が好きな人ばかり。

 

その柏のことが好きなお客様たちがやって来られる中で、柏っぽさというか地元らしさを何か作っていきたいなと思った時に、我が町に うんプロのスポーツクラブがある。こんなことってなかなかないぞと。本拠地ど真ん中じゃない。自分も地元に溶け込むようなアクションをしたいなと思った。

 

レイソルには応募したっていうか、問い合わせた。その時は全然わからなかった。地元のお店、個人店舗でも参画できるものってないのかなと思って探してたら、アソシエイツ提携店っていうのを見つけて、これの資料というか、詳細教えてくださいっていう流れで契約した。

 

Q.ここまでの手応えと課題は?

手応えとしては、初めての飲食店経営で、おかげさまで1番厳しい時期を乗り越えられたっていう手ごえもあって、地元のお客様にも、ちょっとずつ愛されるような店になってきてるのかなっていう実感はある。

 

一周年の時にお花をとか頂いたりとかして、嬉しかった。ここにお店を作ってくれてありがとう、とか、柏駅まで行かなくてもいいんだと思うと、すごく便利だわ、なんていうことを言っていただけるので、なんかそういうのがすごい励みになる。やっぱり去年と比べても、お客さんの数は増えてるなっていう実感は、今は持てている。

 

これからで言うと、ビアバーで食べ物がほとんどなくて、乾き物ぐらいしかない。どちらかというと、酒屋っていう業態に近い。ビールしかないので、そのビールの魅力というものをどんどん磨いていって、新しいお客様にも来ていただけるようにしたいなっていう風には思っている。

 

クラフトビールも色々種類がある。人気のものから、都内のビアパブでも扱ってないようなものまで、まず色んなものがあるんだってことを知ってもらいたい。 このビールを出すまでのメンテナンスというか、手入れは徹底して、当たり前品質としてやっていきたいなと。

 

今後の予定で言うと、クラフトビールだけじゃなくて、大手のビールもちょっと入れようと思って。口当たりが変わるというか、味わいが変わるっていうようなことをちょっと腕磨いてやれるようになりたいなと考えている。ビールの面白さとか楽しさをこう広めていくことで、お客様にも支持いただけるようになりたいなって思う。

 

Q.どんなお客さんに来てほしいか?

まず1つは、やっぱりまだうちを知らない地元のお客様に来てもらえるように、もっとアピールしたい。

 

またビール好きの方にも来てほしい。地元のクラフトビーの興味を持ってる方には、ちゃんとこう情報を届けられるようにしたいなと思っている。大手のビールはまだ好きっていう方にもご来店いただけるように、ラインナップを広げていきたい。

 

そしてやっぱりレイソルのサポーター。勝利の喜びを共に分かち合いたいというか、最近苦戦して、 悔しさを飲み込むためのビールとして来てほしいと思っている。スポーツとビールって相性がいいと思うし、ビールを一緒に自分も乾杯したいなっていう気持ちがあるので、レイソルサポーターの方には、ぜひお越しいただきたい。

 

あとがき

地元が愛知県一宮市である店主は、あらゆる経験を経てこのチャレンジを始めた。レイソルのことをもちろん応援しており、ゴールデンウィークは新潟の地まで応援しに行ったとのこと。

 

近い将来は南柏でフェスをやってみたいと話し、これからも地元の人との交流をどんどん深めていくはずだ。美味しいクラフトビールと、困難を乗り越えてきた店主を求め、お店に一人でも多く足を運ぶことを切に願って締めとしたい。

 

*写真はすべて筆者が撮影

 

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