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なぜ柏レイソルは開幕から好調なのか?

f:id:gotohitachidai8:20240311123741j:image2024シーズンが開幕してから、柏レイソルは好調である。J1を3試合戦い、2勝1分と2位に位置付けている。様々な要因があるが、ここでは5つについて詳細を述べていく。

関根大輝の台頭

現役大学生で1シーズン前倒して加入した、右サイドバックの関根大輝がここまで素晴らしい活躍を見せている。ちばぎんカップからスタメンで出場を果たすと、リーグ戦でも3試合連続でスタメンとなり、ルーキーながら早くもレイソルに欠かせない存在となっている。

 

187cmの高さがありながらも、静岡学園で鍛えたテクニックと判断、そして1vs1の守備の強さが特徴の選手。J1の舞台でもその能力は十分通じることを証明して見せている。細谷と共にパリオリンピックの日本代表に選出されても、何ら不思議ではない。

 

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遅攻時のビルドアップ

2023シーズンの反省として、ポゼッション率が低く後半のスタミナ切れから失点を喫することから、ポゼッション率を高める試みが見られる。具体的には以下の2点である。

・小屋松のフリーマン

ボランチが左下に下りてシステムを変形

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特に第2節ヴィッセル神戸戦、第3節ジュビロ磐田戦では上記の形が何度も見られ、速攻ができないと判断したときはGK松本を含めて後ろでビルドアップを行う。このことにより、ゲームをコントロールし自分たちのスタミナを終盤まで維持することが出来ている。

 

DFラインが高くなった

昨夏に犬飼智也が加入して以降、DFラインは非常に高い位置をキープしてコンパクトな守備をすることが出来ている。それは4人のDFそれぞれが優れたアスリート能力を持ち、そして1vs1で負けないことを前提に、うまくコミュニケーションを取ることで実現できている。

 

ジュビロ戦の後、古賀太陽がインタビューで以下のように答えている。

--マテウス ペイショット選手投入後の対応について。
ペイショットをターゲットに長いボールを入れてくるという形は狙っていたと思うので、そこに対してズルズルラインを下げずに高い位置をキープしながらやれていたと思います。そこから背後に入れられたボールもオフサイドで捨てられたり、ラインコントロールは試合を積み重ねていく中で整理されてきていると思うので、継続できていると思う。

(中略)

 

--判断が昨季の開幕時よりも上がっているという感覚はありますか?
去年から体制が変わったこともあるかもしれないが、どうしても強気のライン設定を取れなかったり、チームとしてコンパクトに守ることが去年のスタートの頃はできていなかったので、今季はスタートから守備に関してはいろいろとできていると思う。

 

【公式】磐田vs柏の選手コメント(明治安田J1リーグ:2024年3月9日):Jリーグ公式サイト(J.LEAGUE.jp)

 

つまり今では強気のライン設定で、オフサイドを意図的に取りに行くことすらできる状況である。ヴィッセル神戸戦でともに観戦した友人が「DFライン高過ぎじゃね」と心配するくらいだが、それが今の好調につながっている。

 

井原監督の大胆かつ明確な交代策

引き続き井原監督が指揮を執ることになった2024シーズンだが、2枚替えや3枚替えなど昨シーズンよりも大胆かつ的確な交代策を見せている。例えばヴィッセル神戸戦での交代は、一気に3枚を代える賭けに出た。すると島村拓弥のアシストから木下康介がゴールを決めた。投入された2選手による勝ち点3は、井原監督の采配がズバリ的中した結果であった。

 

また開幕節での京都サンガFC戦では、立田悠悟を投入して5バックで逃げ切りを図ったものの、終盤に失点したことから、直近2試合はフォーメーションを変更せずに1-0で勝利している。この判断もなかなか難しいはずだが、見事に勝利へ結び付けている。

 

クラブとしての新たな取り組み

新体制発表会では、昨年から社長になった山崎社長より2024シーズンの方向性が示された。NoREYSOL,NoLIFEと新しい言葉で柏レイソルというクラブが、より身近に感じられるような施策が次々と行われている。

 

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新しい施策の具体的な内容を、以下に列挙していく。

・練習風景および試合当日の映像を公開

・X上でファン・サポーターの写真を使った交流

・Xによる試合経過を伝えるオリジナル動画(ジュビロ磐田戦より)

・スタジアム内託児所の開設(3/16名古屋グランパス戦より試験導入)

 

コロナウイルスが蔓延した2020年以降、しばらくは厳しい制限の中での管理を強いられたために、なかなかファン・サポーターや地域との交流が取れずにいた。しかし今シーズンはよりオープンで積極的な姿勢を見せており、レイソルが新しい形で改めて地域に根付こうとしている。こうした面も、チームの好調の要素ではないだろうか。

 

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